StarCityGamesのインビテーショナルで、Brian Kiblerがナヤ殻を使っていますが、
このデッキが面白い(というか工夫されている)ので紹介させていただきます。
http://www.happymtg.com/decks/view/D024310
(happymtg.comの記事が便利なので引用させていただきます。)
さすが稀代のデッキチューナー、キブラーといった感じのナヤ殻です。
完全コピーのデッキもMOのデイリーイベント上で散見されているぐらいです。
さて、どこが工夫されているかを見ていきましょう。
【1:採用エンジンの多様性】
一番の目玉はここです。
そもそもこのデッキ、殻デッキなのに《出産の殻》(以下「殻」)が2枚しか入っていません。他のサーチ手段として、《情け知らずのガラク》(以下「ガラク)《緑の太陽の頂点》(以下「緑頂点」)が採用されています。
これにより、対するデッキへの強さやサイドボード後の戦略に幅が出ます。
・対コントロールやトークンに対して、《スレイベンの守護者、サリア》(以下「サリア」)を出し惜しみなく使う事ができる
・ケッシグ・赤緑ビートダウン等が相手の場合、サイド後に殻を全抜きすることで相手の《古えの遺恨》(以下「グラッジ」)を無駄牌にできる
・同型に対しては、グラッジに加えて《墓掘りの檻》を入れる事で機能不全を起こす事ができる
非常によく考えられたチューンだと思います。
【2:サリアのメイン採用】
青白ビートダウン等ではおなじみのサリア。
殻が苦手とするのは、全体除去を擁する赤緑ケッシグやコントロール全般、《未練ある魂》を採用した白黒トークンやエスパーコントロール、そしてテンポの速い青白Delver等です。
サリアはそこに劇的に刺さる一枚で、著しくテンポを削ぐことができます。また、こちらのデッキは元々クリーチャーが半数近くを占めるので、ほとんど影響がありません。
殻を4枚採用してしまうと、サリアを先に展開することで自分も動きづらくなってしまいます。これを2枚に抑えることで、サリアメイン投入を可能にしています。
【3:強いカードは当然の4枚採用】
基本と言えば基本なのですが、これができるビルダーは少ないでしょう。
2マナ最強の呼び声高い《絡み根の霊》、3マナ域のユーティリティ《刃の接合者》、4マナ域では無類の強さを誇る《高原の狩りの達人》は当然の4枚採用です。接合者以外は緑頂点で引っ張ってくることも可能なので、緑頂点の採用も納得です。
殻デッキはシルバーバレット戦略に合致するデッキなので、この辺の枚数を減らして他のカードを使うことも十分可能なのですが、このデッキには殻が2枚しか採用されていないため、1マナ→2マナ→3マナ→4マナ、とまっすぐな展開が可能なよう、強いカードを引ける確率を高めています。
【4:1枚差しの優秀さ】
殻・緑頂点・ガラクから引っ張ってこれるシルバーバレット用パーツも、苦手なデッキに対処できるよう、上手く押さえられています。
・青白Delverや青白黒スピリットに効果的な《夜明けのレインジャー》
・トークンや同型相手に強い《悪鬼の狩人》
・全体除去に耐性があり、支配力のある《食百足》
・ユーティリティ性の高い《酸のスライム》
それぞれ必要な場面が異なりますが、メインからさまざまなデッキに対処できるよう、必要最低限かつ最大効率でツボを押さえられている印象です。
【5:カードの取捨選択】
殻によくある下記のカードを軒並み不採用にしているのも印象的です。
・ビックマナ戦略に合致する《真面目な身代わり》
・支配力の高い《零誉の僧兵》
・殻との親和性が高く、全体除去耐性もある《ワームとぐろエンジン》
・殻とのシナジーや場の立て直しに便利な《太陽のタイタン》
・殻のゴールと呼ばれる《大修道士、エリシュ・ノーン》
これは、殻の特徴であるビックマナ戦略をとらず、第3項で挙げたクリーチャーによるビートダウン戦略を維持するためだと思われます。
【6:同型やTier1をよどみなくメタったサイドボード】
サイドボードに無駄がありません。誰が使っても使い道が明確で、入れ替え先も迷わないカードが揃っています。
○《刃砦の英雄》:《金屑の嵐》対策です。対ケッシグに《高原の狩りの達人》から入れ替えます。
○《夜明けのレインジャー》:青白Delverや青白黒スピリット相手に無類の強さを発揮します。サイド後に4枚までふくれあがるので、この枚数の対処は難しいでしょう。《刃の接合者》と入れ替えます。それにしても、キブラーはこのカードがかなり好きみたいですね(笑)
○《古えの遺恨》《墓掘りの檻》:グラッジは青白Delverや赤緑ケッシグ、同型対策と幅広く使えます。《墓掘りの檻》も殻を意識していますね。これらのデッキにはおそらく殻を抜いてファクト破壊をスカらせつつ対策する形でしょう。
○《天界の粛正》《焼却》:青黒ゾンビ・青黒コントロール・ハートレスのみならず、同型や赤単に有効です。《忘却の輪》より数段構えやすい除去ですね。《焼却》は刃砦対策でしょう。
○《天啓の光》:白黒トークンや青黒コントロールの全体強化や《死の支配の呪い》対策でしょう。タフネス1の差が如実に響くデッキなので、これらへの対策は重要です。《忘却の輪》と入れ替えます。
○《スレイベンの守護者、サリア》:青白Delverや白黒トークン、各種コントロールにサイドインして4枚体制で臨みます。《絡み根の霊》や《出産の殻》を抜いての採用になりそうです。
実際に動かしてみると、従来の殻と違い、展開が非常に軽快です。
赤緑ビートダウンと白緑ビートダウンの間の子、といった印象でしょうか。サリアと絡み根が計6枚入っている関係で、マナクリを裁かれても後続で展開できる点は上記のデッキにはない利点で、ポイントが高いです。
3枚採用された《ガヴォニーの居住区》でこれらのクリーチャーを強化することで、早期展開後手札を温存しながら圧殺することも十分可能です。
肌に合う・合わないはあると思いますが、ぜひ一度使ってみることをお勧めします。
このデッキが面白い(というか工夫されている)ので紹介させていただきます。
http://www.happymtg.com/decks/view/D024310
(happymtg.comの記事が便利なので引用させていただきます。)
さすが稀代のデッキチューナー、キブラーといった感じのナヤ殻です。
完全コピーのデッキもMOのデイリーイベント上で散見されているぐらいです。
さて、どこが工夫されているかを見ていきましょう。
【1:採用エンジンの多様性】
一番の目玉はここです。
そもそもこのデッキ、殻デッキなのに《出産の殻》(以下「殻」)が2枚しか入っていません。他のサーチ手段として、《情け知らずのガラク》(以下「ガラク)《緑の太陽の頂点》(以下「緑頂点」)が採用されています。
これにより、対するデッキへの強さやサイドボード後の戦略に幅が出ます。
・対コントロールやトークンに対して、《スレイベンの守護者、サリア》(以下「サリア」)を出し惜しみなく使う事ができる
・ケッシグ・赤緑ビートダウン等が相手の場合、サイド後に殻を全抜きすることで相手の《古えの遺恨》(以下「グラッジ」)を無駄牌にできる
・同型に対しては、グラッジに加えて《墓掘りの檻》を入れる事で機能不全を起こす事ができる
非常によく考えられたチューンだと思います。
【2:サリアのメイン採用】
青白ビートダウン等ではおなじみのサリア。
殻が苦手とするのは、全体除去を擁する赤緑ケッシグやコントロール全般、《未練ある魂》を採用した白黒トークンやエスパーコントロール、そしてテンポの速い青白Delver等です。
サリアはそこに劇的に刺さる一枚で、著しくテンポを削ぐことができます。また、こちらのデッキは元々クリーチャーが半数近くを占めるので、ほとんど影響がありません。
殻を4枚採用してしまうと、サリアを先に展開することで自分も動きづらくなってしまいます。これを2枚に抑えることで、サリアメイン投入を可能にしています。
【3:強いカードは当然の4枚採用】
基本と言えば基本なのですが、これができるビルダーは少ないでしょう。
2マナ最強の呼び声高い《絡み根の霊》、3マナ域のユーティリティ《刃の接合者》、4マナ域では無類の強さを誇る《高原の狩りの達人》は当然の4枚採用です。接合者以外は緑頂点で引っ張ってくることも可能なので、緑頂点の採用も納得です。
殻デッキはシルバーバレット戦略に合致するデッキなので、この辺の枚数を減らして他のカードを使うことも十分可能なのですが、このデッキには殻が2枚しか採用されていないため、1マナ→2マナ→3マナ→4マナ、とまっすぐな展開が可能なよう、強いカードを引ける確率を高めています。
【4:1枚差しの優秀さ】
殻・緑頂点・ガラクから引っ張ってこれるシルバーバレット用パーツも、苦手なデッキに対処できるよう、上手く押さえられています。
・青白Delverや青白黒スピリットに効果的な《夜明けのレインジャー》
・トークンや同型相手に強い《悪鬼の狩人》
・全体除去に耐性があり、支配力のある《食百足》
・ユーティリティ性の高い《酸のスライム》
それぞれ必要な場面が異なりますが、メインからさまざまなデッキに対処できるよう、必要最低限かつ最大効率でツボを押さえられている印象です。
【5:カードの取捨選択】
殻によくある下記のカードを軒並み不採用にしているのも印象的です。
・ビックマナ戦略に合致する《真面目な身代わり》
・支配力の高い《零誉の僧兵》
・殻との親和性が高く、全体除去耐性もある《ワームとぐろエンジン》
・殻とのシナジーや場の立て直しに便利な《太陽のタイタン》
・殻のゴールと呼ばれる《大修道士、エリシュ・ノーン》
これは、殻の特徴であるビックマナ戦略をとらず、第3項で挙げたクリーチャーによるビートダウン戦略を維持するためだと思われます。
【6:同型やTier1をよどみなくメタったサイドボード】
サイドボードに無駄がありません。誰が使っても使い道が明確で、入れ替え先も迷わないカードが揃っています。
○《刃砦の英雄》:《金屑の嵐》対策です。対ケッシグに《高原の狩りの達人》から入れ替えます。
○《夜明けのレインジャー》:青白Delverや青白黒スピリット相手に無類の強さを発揮します。サイド後に4枚までふくれあがるので、この枚数の対処は難しいでしょう。《刃の接合者》と入れ替えます。それにしても、キブラーはこのカードがかなり好きみたいですね(笑)
○《古えの遺恨》《墓掘りの檻》:グラッジは青白Delverや赤緑ケッシグ、同型対策と幅広く使えます。《墓掘りの檻》も殻を意識していますね。これらのデッキにはおそらく殻を抜いてファクト破壊をスカらせつつ対策する形でしょう。
○《天界の粛正》《焼却》:青黒ゾンビ・青黒コントロール・ハートレスのみならず、同型や赤単に有効です。《忘却の輪》より数段構えやすい除去ですね。《焼却》は刃砦対策でしょう。
○《天啓の光》:白黒トークンや青黒コントロールの全体強化や《死の支配の呪い》対策でしょう。タフネス1の差が如実に響くデッキなので、これらへの対策は重要です。《忘却の輪》と入れ替えます。
○《スレイベンの守護者、サリア》:青白Delverや白黒トークン、各種コントロールにサイドインして4枚体制で臨みます。《絡み根の霊》や《出産の殻》を抜いての採用になりそうです。
実際に動かしてみると、従来の殻と違い、展開が非常に軽快です。
赤緑ビートダウンと白緑ビートダウンの間の子、といった印象でしょうか。サリアと絡み根が計6枚入っている関係で、マナクリを裁かれても後続で展開できる点は上記のデッキにはない利点で、ポイントが高いです。
3枚採用された《ガヴォニーの居住区》でこれらのクリーチャーを強化することで、早期展開後手札を温存しながら圧殺することも十分可能です。
肌に合う・合わないはあると思いますが、ぜひ一度使ってみることをお勧めします。
コメント
サイドの全力レインジャーが非常にキブラーらしさを感じさせますねw
キブラーのレインジャー好きはISD後の緑青赤クロパから今なお健在のようですw