「《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》がヤバすぎてつらい」
ビートダウン愛好家の方々からこのような声が聞かれます。
まっとうなビートダウンにとって、これほどつらいカードはありません。


【そもそも、どんなカードなの?】
Bonfire of the Damned / 忌むべき者のかがり火 (X)(X)(赤)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。忌むべき者のかがり火はそのプレイヤーとそのプレイヤーがコントロールする各クリーチャーにX点のダメージを与える。
奇跡(X)(赤)(あなたがこのカードを引いたとき、これがこのターンに最初に引いたカードだった場合、あなたはこれの奇跡コストを支払うことでこれを唱えてもよい。)

 「《審判の日/Day of Judgement》みたいなもんなんじゃないの?」
 と言う方も若干いるかとは思いますが、全然別物です。
 相手のクリーチャーだけを一網打尽に出来るカード、というのはこれぐらいです(《死の支配の呪い/Curse of Death’s Hold》なんてカードもありますが、比較対象としては重過ぎる/効果が薄すぎるでしょう)。クリーチャーデッキが採用できる《審判の日》といっても過言ではありません。
 自分のボードを維持しつつ、相手のクリーチャーを壊滅させられる、というのは、壊れ性能というよりほかにありません。

【どんなデッキに有効なの?】
 Tier1の青白Delver、赤緑ビートダウン、《出産の殻》全般、人間ビートダウン全般など、ビートダウンデッキにはくまなく効きます。また、《未練ある魂/Lingering Souls》でボードをコントロールする太陽拳や白黒トークン、Fritesにも無駄牌になりません。
 つまり、そのデッキが小型~中型クリーチャーに頼っている限り、ほぼ確実に効果があります。

◎とてもよく効く:《出産の殻》、人間ビートダウン(赤白・青白)
○かなり効く:赤緑ビートダウン、青白Delver、白黒トークン、青黒ゾンビ、Frites
△それなりに効く:太陽拳、赤緑ケッシグ

 今のところ、有効打にならないのは太陽拳、赤緑ケッシグ系ぐらいでしょうか。ただ、赤緑ケッシグの《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Feils》には絶大な効果があるため、これが入っているデッキには効果があります。

【ケッシグに効かないんじゃケッシグ最強じゃん・・・】
 同時収録された、赤緑ケッシグのキラーカード《士気溢れる徴集兵》の存在がネックです。同じ色で、唯一効果の薄いデッキに対する対策がとれてしまいます。
 つまり、サイドボードから《かがり火》をそのまま《徴集兵》に差し替えてしまえば、ケッシグ対策もバッチリ、というわけです。マジック簡単ですね。

【どんなデッキが使ってくるの?】
 少しでも赤を入れたデッキなら使うことができます。(シングルシンボルなので)具体的には赤緑ビートダウン、赤白緑《出産の殻》、赤緑ケッシグ、赤白人間、etc……。グリクシスコントロールや赤単も当然使えます。
 赤緑ケッシグはもともと《金屑の嵐》を4積みしていますが、最近はやりの《修復の天使》、またサイドインされる《刃砦の英雄》といったタフネス4クリーチャーの対策としてサイドから入れることも十分考慮されます。

【かがり火ゲーはどう対処すればいいの?】
 これだけ流行するのであれば、対処法を考えざるを得ません。《精霊への挑戦/Brave the Elements》みたいな分かりやすいアンチカードがないのがつらいところです。
 考え付く限りでは、下記のような形で対策をとるしかないでしょう。

○《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》を採用する。
 一番分かりやすい対処法です。出したターンに装備できる赤緑ビートダウンは有利ですね。メインに何枚か積む形をとったほうがいいでしょう。また、青白Delverもできればメイン、最低でもサイドに忍ばせておいたほうが無難かもしれません。

○耐性のある生物を採用する。
 都合上打たれるのはソーサリー・タイミングなので、下記のような能力を持つ生物を採用することで、被害を最小限に留められます。

・瞬速持ちの《ウルフィーの報復者》《修復の天使》《瞬唱の魔道士》
・再生持ちの《ウルフィーの報復者》《最後のトロール、スラーン》
・タフネスの高い《ウルフィーの銀心》や各種タイタン、《ワームとぐろエンジン》
・破壊されない《ファルケンラスの貴種》
・除去体制の高い《墓所這い》や各種不死クリーチャー、《殴打頭蓋》

 アーキタイプとして無理なく積めるのは、
■赤緑ビートダウン:《絡み根の霊》《ウルフィーの報復者》《ウルフィーの銀心》《スラーン》《殴打頭蓋》
■出産の殻:《絡み根の霊》《ウルフィーの報復者》《修復の天使》《ウルフィーの銀心》《スラーン》《ワームとぐろエンジン》《太陽のタイタン》
■青白Delver:《修復の天使》《瞬唱の魔道士》《殴打頭蓋》
■赤緑ケッシグ:《スラーン》《原始のタイタン》《業火のタイタン》《殴打頭蓋》
■黒系ゾンビ:《ゲラルフの伝書使》《墓所這い》
■Frites:《エリシュ・ノーン》《ギセラ》《業火のタイタン》《ワームとぐろエンジン》

 殻が一番対策が多いように思えますが、《出産の殻》による《絡み根》使いつぶしが多い為、必ずしも殻が有利、というわけにはいきません。むしろマナクリに頼り、またクリーチャーもソーサリータイミングでの登場を余儀なくされているという性質上、《かがり火》が刺さりまくります。

○打ち消し呪文を採用する。
 青白Delver専用の項目にはなりますが、《マナ漏出》《瞬間凍結》《否認》となんでも効きます。青白緑《出産の殻》なら、サイドから《瞬間凍結》を採用することは可能でしょう。
 最近の大会で青白Delverが結果を残しているのは、《かがり火》を打ち消せる唯一のデッキだからなのでしょうか。《魂の洞窟》の影響が大きいとはいえ、やはり《マナ漏出》は偉大です。

△その他の対抗策
・《信仰の盾》:少なくともクリーチャー1体は守れます。窮地なら《かがり火》そのものを防げます(対象不適正)。
・《神聖なる反撃》:十分なマナがあれば複数のクリーチャーを守れるチャンスがあります。ただ、これを構えながら戦うというのは難しいと思います。
・《魔女封じの宝珠》:プレイヤーを対象に取るため、無駄牌にできます。だからどうしたって話ですが。



【まとめ】
 まだ採用数がそこまで多くないので気に留める程度で差し支え無いですが、流行りだすなら注意が必要です。大半のデッキに効き、また大半のデッキが採用できるため、《かがり火》ゲーになる恐れすらあります。
 各デッキごとに、相手が赤かった場合「いきなり撃たれても対応できる」ようにしておくことが望ましいです。

■赤緑ビートダウン:再生のマナを残しながら行動する、剣はすぐ装備する
■出産の殻:手札を温存し再展開ができる種を残しておく
■青白Delver:バウンスやカウンターを構えておく、クロックは1種でも温存する
■《未練ある魂》:全力打ちはせず、常に1~2回の余裕を持っておく
■Frites:むやみに長引かせず、早期に勝負を決められるフィニッシャーを採用する(《グリセルブランド》《エリシュ・ノーン》など。その際、《徴集兵》の対策は忘れずに)


何にせよ、流行れば環境を変える1枚になることに変わりはなさそうです。
地域によるメタにもよると思いますが、十分お気をつけください。

コメント

yuffy@アリス
2012年5月30日21:55

記事読ませていただきました。
かがり火の偉大さがつたわりました。
ここで質問なんですが。
トリコロールにかがり火を採用するのはありでしょか?

リンクしました。

nophoto
たぬきさぬき
2012年5月30日23:44

かがり火対策として、AVR新規カウンターであらせられる知恵比べをサイドに積もう(提案)


初コメントです。ハートレスしょっちゅう使ってるアレです。うーずも集めます。

とけいまわり
2012年5月31日13:01

>アンチyuffyさん
上記の通りマナが出るデッキなら万能カードなので、メタ次第では投入もありかと。

>たぬきさぬきさんっていうかSBTさん
知恵比べを抱えたままビートに殴り殺されてはいけない(戒め)

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