(以下全編公式リスペクト)
こんにちは~。
熱くなってきましたが、M13が発売されて1ヶ月が経ちました。MOでもM13がリリースされ、続々とM13のカードが入ったデッキが結果を残しています。
今日はそんな中で開かれた先週末の「StarCityGamesオープン・ワシントン」の結果を見ていくことにします。
【StarCityGamesオープン・ワシントン TOP8結果】
優勝:青緑《ケッシグの狼の地》
準優勝:青白Delver
3位:青白Delver
4位:青白Delver
5位:白赤緑ビートダウン
6位:Frites
7位:緑単《ダングローブの長老》
8位:青白Delver
新しく得た武器が少ないにも係らず、デルバー王国は健在です。そんな中で、1位は最近不調だった《ケッシグの狼の地》が掻っ攫っていきました。早速デッキを見ていきましょう。
1位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033910
7枚の神話奇跡と1枚挿しの《瞬唱の魔道士》が印象的なリストです。《瞬唱の魔道士》は《身代わり》の代わり(+《不屈の自然》)としても、追加の《かがり火》としても使えるナイスカード。サイド後の全体除去の水増しにもなります。
M13からこのデッキが得た新しい武器は《遥か見》です。このカードの加入により、いままで《太陽の宝球》という置き物に頼っていた2マナ域のマナ加速が充実し、デッキを圧縮することによって有効牌を引ける確率を高めています。
サイドボードは明らかにデルバーを意識してますね。素の作りでビートダウン系のデッキにはマウントが取れるつくりになっているのも好印象です。
2位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033918
ノーデルバーならぬノーエンジェル。LSVのとった《刃砦の英雄》作戦です。
ゾンビ相手のサイドボードには《天界の粛清》ではなく、《栄光の騎士》を4積みするプラン。ゾンビは赤の除去が少ないので、生存確率はとても高いです。同型相手用にも《ターランド》がとられています。対同型には必須の1枚になってきていますね。
3位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033919
いわゆるゼロックス型です。《ボーラスの占い師》3積みが印象的です。同型相手にアドバンテージが取れる構成は強いです。同型相手のサイドとして《接合者》《ターランド》でミッドレンジとして振舞うことも可能です。
8位も同じようなリストです。http://www.happymtg.com/decks/view/D033924
4位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033920
これも《刃砦の英雄》型。装備品なしの形。2位とアプローチは似ているので特筆すべき形ではありません。
12位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033913
《トラフト》全抜きで《接合者》に入れ替えたデルバーです。ビートダウンの隆盛を
14位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033915
スタンダードなデルバーですね。ここにもサイドに《ターランド》さんが潜んでいます。
ほぼ全てのリストのメインに《精神的つまづき》が採用されていることが、今のメタゲームを象徴していると思います。対デルバーのスペルほぼすべてに効くだけでなく、対ゾンビの《戦墓のグール》《墓所這い》《悲劇的な過ち》、対緑系ビートダウンのマナクリーチャーや《怨恨》と、腐るマッチアップはほぼありません。
また、M13からは《ボーラスの占い師》というアドバンテージ獲得ソースの加入も去ることながら、同型相手に支配的な《ターランド》が加わりました。これを除去できるかどうかが勝負の分かれ目になりそうです。サイドボードの《幻影の像》の枚数は重要ですね。
5位(ナヤ):http://www.happymtg.com/decks/view/D033921
4-Spell Naya+《出産の殻》。個人的には大好きなデッキ(というか自分も使っているデッキ)です。《殻》に頼らない構成ながら、《殻》によるアドバンテージ獲得も可能という、どこからでも攻められるデッキです。
2マナ域はM13から加入した《エルフの幻想家》。《絡み根の霊》どころか《サリア》も0枚。コントロール相手には若干弱くなりましたが、積極的にアドバンテージがとれるこのアプローチもありだと思います。
サイドボードにも一工夫見られます。汎用性の高い各種《剣》を切って、対デルバー《押し潰す蔦》、対ゾンビ《天界の粛清》、対赤緑系《電弧の痕跡》と、各デッキの対策をしっかりとっています。対策がしっかりできていることが、高順位の理由ですね。
10位(赤緑):http://www.happymtg.com/decks/view/D033911
11位(赤緑):http://www.happymtg.com/decks/view/D033912
共通して、M13から加入の《雷光のヘルカイト》2積みが印象的な赤緑ビートダウン。
10位のリストには懐かしの《地獄乗り》が。そのために《狩りの達人》を減らしています。そしてメイン《古えの遺恨》。今のメタなら腐らないと踏んでの投入でしょうか。やりすぎの感はありますが、悪くないと思います。
11位のリストはメイン《はらわた撃ち》3枚という対デルバー、対同系を見込んだ形。メインには《饗宴と飢餓の剣》を採用しています。対ゾンビ・同型を考えると有効ですね。反面、デルバー相手には7位のようにメイン《戦争と平和の剣》のほうが効きます。メタゲームを見ながら選択する必要がありそうですね。
7位(緑単):http://www.happymtg.com/decks/view/D033923
13位(緑単):http://www.happymtg.com/decks/view/D033914
《ダングローブ》+《怨恨》+《狩られる者の逆襲》型の緑単です。両者の構成はほぼ一緒です。M13から期待の《怨恨》を得て、一気に強化されたアーキタイプです。
共通して3枚の《捕食者のウーズ》が採用されています。デルバーの《四肢切断》採用率が減っているため、今のメタに合致するカード選択ですね。《審判の日》《かがり火》といった全体除去に対してとても強いのが魅力。
7位のリストは《殴打頭蓋》を入れて長期戦に強くしてあります。《ウーズ》につくと強力です。14位のリストはすっきりしていていいリストだと思います。
また、どちらのリストも、対ナヤ・ゾンビ等を意識してサイドに《倦怠の宝珠》3枚を用意してあります。メインから置物に触れるカードがない不器用なデッキのため、こういった対策は多めに積むようにしましょう。
6位(Frites):http://www.happymtg.com/decks/view/D033922
完全5色Frites。久々のTOP8だったと思います。M13期待の新星、《スラーグ牙》の加入は頼もしいですね。このリストでは《憎悪縛りの剥ぎ取り》を2枚採用、殴らなくてもある程度のダメージが与えられるようにしてあります。
また、ゾンビ相手に壊滅的な打撃を与えうる《栄光の目覚めの天使》がサイドに積まれているあたり、ゾンビがここでも対策されていることがわかります。。
15位:(ゾンビ):http://www.happymtg.com/decks/view/D033916
ゾンビの最高位は15位。前回の結果が良かっただけに、やはりメタられた模様です。
赤黒ゾンビ+《殻》ですが、《鬱外科医》《ドロスバッタ》《渋面の溶岩使い》と面白いカード選択です。《鬱外科医》は《トラフト》を一方的に討ち取れます。《ドロスバッタ》はサクリ台。《血の芸術家》+《墓所這い》のコンボを狙っています。M13から加入した《血の座の吸血鬼》でもいいと思います。《渋面の溶岩使い》は安定の固定火力ですが、特に対ナヤでは鬼神の如き強さを発揮します。墓地を使い潰した後は殻から《血の芸術家》を持ってくることも可能です。
対策をされるとつらいものがありますが、《血の芸術家》はやはり強力です。爆発力のあるアーキタイプとして、今後も警戒が必要でしょう。
今週は以上です。
メインから《精神的つまづき》を積むなどして、未だにデルバー王国は健在です。長いことTier1に君臨するデッキだけに、さまざまなアプローチからカード選択を見直すことで長期政権が続いている印象があります。大会に出るときは、まずデルバー対策を第一にすることが大切です。
そして、1位の青緑ケッシグのように、しっかりと特定デッキの対策をすることができれば、Tier1以外のローグデッキにも勝ち目があるという、ある種混沌としたメタゲームになっています。皆さんも、自身のデッキを作る際は、「どのデッキを対策するのか」を明確にして75枚を構築すると、結果が変わってくるかもしれませんよ!
それでは、また来週~。
こんにちは~。
熱くなってきましたが、M13が発売されて1ヶ月が経ちました。MOでもM13がリリースされ、続々とM13のカードが入ったデッキが結果を残しています。
今日はそんな中で開かれた先週末の「StarCityGamesオープン・ワシントン」の結果を見ていくことにします。
【StarCityGamesオープン・ワシントン TOP8結果】
優勝:青緑《ケッシグの狼の地》
準優勝:青白Delver
3位:青白Delver
4位:青白Delver
5位:白赤緑ビートダウン
6位:Frites
7位:緑単《ダングローブの長老》
8位:青白Delver
新しく得た武器が少ないにも係らず、デルバー王国は健在です。そんな中で、1位は最近不調だった《ケッシグの狼の地》が掻っ攫っていきました。早速デッキを見ていきましょう。
1位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033910
7枚の神話奇跡と1枚挿しの《瞬唱の魔道士》が印象的なリストです。《瞬唱の魔道士》は《身代わり》の代わり(+《不屈の自然》)としても、追加の《かがり火》としても使えるナイスカード。サイド後の全体除去の水増しにもなります。
M13からこのデッキが得た新しい武器は《遥か見》です。このカードの加入により、いままで《太陽の宝球》という置き物に頼っていた2マナ域のマナ加速が充実し、デッキを圧縮することによって有効牌を引ける確率を高めています。
サイドボードは明らかにデルバーを意識してますね。素の作りでビートダウン系のデッキにはマウントが取れるつくりになっているのも好印象です。
2位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033918
ノーデルバーならぬノーエンジェル。LSVのとった《刃砦の英雄》作戦です。
ゾンビ相手のサイドボードには《天界の粛清》ではなく、《栄光の騎士》を4積みするプラン。ゾンビは赤の除去が少ないので、生存確率はとても高いです。同型相手用にも《ターランド》がとられています。対同型には必須の1枚になってきていますね。
3位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033919
いわゆるゼロックス型です。《ボーラスの占い師》3積みが印象的です。同型相手にアドバンテージが取れる構成は強いです。同型相手のサイドとして《接合者》《ターランド》でミッドレンジとして振舞うことも可能です。
8位も同じようなリストです。http://www.happymtg.com/decks/view/D033924
4位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033920
これも《刃砦の英雄》型。装備品なしの形。2位とアプローチは似ているので特筆すべき形ではありません。
12位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033913
《トラフト》全抜きで《接合者》に入れ替えたデルバーです。ビートダウンの隆盛を
14位:http://www.happymtg.com/decks/view/D033915
スタンダードなデルバーですね。ここにもサイドに《ターランド》さんが潜んでいます。
ほぼ全てのリストのメインに《精神的つまづき》が採用されていることが、今のメタゲームを象徴していると思います。対デルバーのスペルほぼすべてに効くだけでなく、対ゾンビの《戦墓のグール》《墓所這い》《悲劇的な過ち》、対緑系ビートダウンのマナクリーチャーや《怨恨》と、腐るマッチアップはほぼありません。
また、M13からは《ボーラスの占い師》というアドバンテージ獲得ソースの加入も去ることながら、同型相手に支配的な《ターランド》が加わりました。これを除去できるかどうかが勝負の分かれ目になりそうです。サイドボードの《幻影の像》の枚数は重要ですね。
5位(ナヤ):http://www.happymtg.com/decks/view/D033921
4-Spell Naya+《出産の殻》。個人的には大好きなデッキ(というか自分も使っているデッキ)です。《殻》に頼らない構成ながら、《殻》によるアドバンテージ獲得も可能という、どこからでも攻められるデッキです。
2マナ域はM13から加入した《エルフの幻想家》。《絡み根の霊》どころか《サリア》も0枚。コントロール相手には若干弱くなりましたが、積極的にアドバンテージがとれるこのアプローチもありだと思います。
サイドボードにも一工夫見られます。汎用性の高い各種《剣》を切って、対デルバー《押し潰す蔦》、対ゾンビ《天界の粛清》、対赤緑系《電弧の痕跡》と、各デッキの対策をしっかりとっています。対策がしっかりできていることが、高順位の理由ですね。
10位(赤緑):http://www.happymtg.com/decks/view/D033911
11位(赤緑):http://www.happymtg.com/decks/view/D033912
共通して、M13から加入の《雷光のヘルカイト》2積みが印象的な赤緑ビートダウン。
10位のリストには懐かしの《地獄乗り》が。そのために《狩りの達人》を減らしています。そしてメイン《古えの遺恨》。今のメタなら腐らないと踏んでの投入でしょうか。やりすぎの感はありますが、悪くないと思います。
11位のリストはメイン《はらわた撃ち》3枚という対デルバー、対同系を見込んだ形。メインには《饗宴と飢餓の剣》を採用しています。対ゾンビ・同型を考えると有効ですね。反面、デルバー相手には7位のようにメイン《戦争と平和の剣》のほうが効きます。メタゲームを見ながら選択する必要がありそうですね。
7位(緑単):http://www.happymtg.com/decks/view/D033923
13位(緑単):http://www.happymtg.com/decks/view/D033914
《ダングローブ》+《怨恨》+《狩られる者の逆襲》型の緑単です。両者の構成はほぼ一緒です。M13から期待の《怨恨》を得て、一気に強化されたアーキタイプです。
共通して3枚の《捕食者のウーズ》が採用されています。デルバーの《四肢切断》採用率が減っているため、今のメタに合致するカード選択ですね。《審判の日》《かがり火》といった全体除去に対してとても強いのが魅力。
7位のリストは《殴打頭蓋》を入れて長期戦に強くしてあります。《ウーズ》につくと強力です。14位のリストはすっきりしていていいリストだと思います。
また、どちらのリストも、対ナヤ・ゾンビ等を意識してサイドに《倦怠の宝珠》3枚を用意してあります。メインから置物に触れるカードがない不器用なデッキのため、こういった対策は多めに積むようにしましょう。
6位(Frites):http://www.happymtg.com/decks/view/D033922
完全5色Frites。久々のTOP8だったと思います。M13期待の新星、《スラーグ牙》の加入は頼もしいですね。このリストでは《憎悪縛りの剥ぎ取り》を2枚採用、殴らなくてもある程度のダメージが与えられるようにしてあります。
また、ゾンビ相手に壊滅的な打撃を与えうる《栄光の目覚めの天使》がサイドに積まれているあたり、ゾンビがここでも対策されていることがわかります。。
15位:(ゾンビ):http://www.happymtg.com/decks/view/D033916
ゾンビの最高位は15位。前回の結果が良かっただけに、やはりメタられた模様です。
赤黒ゾンビ+《殻》ですが、《鬱外科医》《ドロスバッタ》《渋面の溶岩使い》と面白いカード選択です。《鬱外科医》は《トラフト》を一方的に討ち取れます。《ドロスバッタ》はサクリ台。《血の芸術家》+《墓所這い》のコンボを狙っています。M13から加入した《血の座の吸血鬼》でもいいと思います。《渋面の溶岩使い》は安定の固定火力ですが、特に対ナヤでは鬼神の如き強さを発揮します。墓地を使い潰した後は殻から《血の芸術家》を持ってくることも可能です。
対策をされるとつらいものがありますが、《血の芸術家》はやはり強力です。爆発力のあるアーキタイプとして、今後も警戒が必要でしょう。
今週は以上です。
メインから《精神的つまづき》を積むなどして、未だにデルバー王国は健在です。長いことTier1に君臨するデッキだけに、さまざまなアプローチからカード選択を見直すことで長期政権が続いている印象があります。大会に出るときは、まずデルバー対策を第一にすることが大切です。
そして、1位の青緑ケッシグのように、しっかりと特定デッキの対策をすることができれば、Tier1以外のローグデッキにも勝ち目があるという、ある種混沌としたメタゲームになっています。皆さんも、自身のデッキを作る際は、「どのデッキを対策するのか」を明確にして75枚を構築すると、結果が変わってくるかもしれませんよ!
それでは、また来週~。
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