第2回UC杯は、参加者14人で行われました。
 スイスドロー形式4回戦+シングルエリミネーション2回戦の結果、カワマタ ノリオさんが優勝に輝きました。おめでとうございます!

 第3回UC杯は、11/30(日)開催予定です。
 なお、次回は主催者が代わります。それに伴い、今回と構築制限が若干異なりますのでご注意ください。(詳細が届き次第、当ブログでも告知します。)

 では、今回のメタゲーム分析後、入賞デッキの紹介をしていきます。

【メタゲームの傾向】
<色分布>※重複あり
白:7人/14人
青:6人/14人
黒:2人/14人
赤:7人/14人
緑:6人/14人

<使用色数分布>
単色:3人/14人(赤2、青1)
2色:8人/14人(白緑2、青白2、赤緑2、緑黒1、青赤1)
3色:3人/14人(白赤青2、白緑黒1)

 色と使用色数の分布は上記の通りです。
 今回は《風に削られた岩山》のような2色土地、《神秘の僧院》のような3色土地、加えて《進化する未開地》が使えるため、2色や3色のデッキを組む方が多かったようです。テンポを重視して単色を選択したプレイヤーは2割程度でした。
<デッキ分布>
6 赤系
 2 赤単スライ
 2 赤系バーン(白赤t青1、青赤1)
 2 赤緑ミッドレンジ
4 白系アグロ
 2白緑「英雄的」
 1青白「英雄的」
 1青白テンポ
2 緑系「探査」(白緑黒1、緑黒1)
2 ローグ(青白赤オーラ1、青単テンポ1)

 細かいデッキ分布は上記の通りです。
 《かき立てる炎》《僧院の速槍》を擁し、攻め手の多い赤系アグロがトップメタとなりました。続いて、《停止の場》《払拭の光》という安定した除去の取れる白系アグロを選択したプレイヤーが多いようです。

【メタゲーム分析】
(1)《僧院の速槍》《かき立てる炎》が強い
 この2枚はかなり意識されていたようで、基本的に「赤を使う」or「赤を使わず対策する」の2点に終始したようです。
 これを見越してミッドレンジは、タフネス5以上を基準としています。《定命の者の宿敵》《年経たシルバーバック》などはもちろん、《吠える鞍暴れ》なんてカードも。

(2)赤単に対抗するため、ライフゲインが強い
 ライフゲインでの対策もだいぶ多かったようです。白系アグロの4人中3人は「英雄的」を使用しており、対赤に絶大な威力を誇る《ヘリオッドの試練》を採用しています。また、緑系も《ナイレアの信奉者》が多くのリストで採用されており、赤系はかなり意識されていた模様です。

(3)時間稼ぎの行動制限エンチャントやバウンスが、赤単にもライフゲイン戦略にも強い
 青系の多くに《虚空の罠》《航海の終わり》《鐘音の一撃》が取られています。赤単相手には時間稼ぎをしながら、赤単や白系のオーラ戦術を否定することができます。ミッドレンジに対してもテンポを取ることができるため、相手によって使い方こそ違うものの、腐りづらく環境にマッチしたカードと言えます。


<入賞デッキ>
優勝  カワマタ ノリオ「ヅェスカイ・ウィンヅ」(白赤t青トークン)
準優勝 コシダ タカフミ「早さが足りない」(赤単スライ)
TOP4 ミヨシ ヒデアキ「緑白黒ビート」(緑黒白「探査」ビートダウン)
TOP4 アンザイ タカユキ「ゆきブルーUC」(青単テンポ)

 TOP4はこのような分布になっています。実際のデッキを見てみましょう。



優勝 カワマタ ノリオ「ヅェスカイ・ウィンヅ」(白赤t青トークン)
土地 23
4《神秘の僧院/Mystic Monastery》
1《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
1《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
4《進化する未開地/Evolving Wilds》
7《山/Mountain》
5《平地/Plains》
1《島/Island》

クリーチャー 8
4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4《道の探求者/Seeker of the Way》

その他 29
4《タイタンの力/Titan’s Strength》
4《マグマの噴流/Magma Jet》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《急報/Raise the Alarm》
3《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》
4《かき立てる炎/Stoke the Flames》
2《宝船の巡航/Treasure Cruise》

サイドボード 15
1《宝船の巡航/Treasure Cruise》
3《否認/Negate》
2《騎乗追撃/Ride Down》
3《消去/Erase》
3《炎の円/Circle of Flame》
3《停止の場/Suspension Field》

 優勝はジェスカイカラーのバーン&トークンデッキです。スタンダードにもそのまま持ち込めそうな形ですね。クリーチャーは最小限に留め、《急報》《軍族童の突発》でトークンを生成しながら「果敢」持ちで攻め立てます。この形だと《タイタンの力》が生かしやすいですね。《道の探求者》《ジェスカイの魔除け》の「絆魂」がビート過多の環境にうまくマッチしたようです。
 青はタッチカラーですが、《ジェスカイの魔除け》のほか、最強コモンと名高い《宝船の巡航》が取られています。息切れしたところに3枚の引き増しはさすがに強いでしょう。
 環境的に、トークンに対する全体除去が《悲哀まみれ》程度しかないため、トークン戦略は相変わらず強いようです(前回も準優勝のデッキが白単トークンでした)。全体強化として《ジェスカイの魔除け》がかなりいい働きをします。実際、決勝戦での《軍族童の突発》→《ジェスカイの魔除け》はライフレースを一気にひっくり返していました。

 サイドボードには、コントロールを警戒してか《否認》、赤単やトークン同型に効果的な《炎の円》が入っています。《消去》は相手の《炎の円》や各種オーラ(《払拭の光》や《ヘリオッドの試練》等?)対策か、多めに取られていますね。
 使いどころは難しいですが、《騎乗追撃》は軽い上に押し込みもしやすい、良い除去のように見えます。構築では《跳ね返す掌》に居場所を奪われているようですが。



準優勝 コシダ タカフミ「早さが足りない」(赤単スライ)
土地 18
18《山/Mountain》

クリーチャー 20
4《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》
4《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
4《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
4《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4《闘技場の競技者/Arena Athlete》

その他 22
4《タイタンの力/Titan’s Strength》
4《槌手/Hammerhand》
4《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》
2《統率の取れた突撃/Coordinated Assault》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《かき立てる炎/Stoke the Flames》

サイドボード 15
2《マグマのしぶき/Magma Spray》
4《灼熱の血/Searing Blood》
4《マグマの噴流/Magma Jet》
1《粉砕/Shatter》
3《炎の円/Circle of Flame》
1《反逆の行動/Act of Treason》

 準優勝は、警戒されていた赤単スライです。《ゴブリンの熟練煽動者》の穴を《闘技場の競技者》増量で埋めています。相性のいい《統率の取れた突撃》も、相手のブロッカーを押さえ込みながら殴る、という戦略にマッチしています。
 ……とはいえ、スタンとほぼ同じなので語ることはあんまりないですね。《僧院の速槍》強い。

 サイドボードには追加の火力をとって、バーン戦略をとれるように工夫されています。面白いアプローチですね。《灼熱の血》は、小粒なデッキに対して絶大な威力を誇ります。
 ちなみに《粉砕》は、「家を出る時にカードの束の一番上にあったから」だそうです。



TOP4 ミヨシ ヒデアキ「緑白黒ビート」(緑黒白「探査」ビートダウン)
土地 24
4《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
4《進化する未開地/Evolving Wilds》
9《森/Forest》
4《沼/Swamp》
3《平地/Plains》

クリーチャー  16
4《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
2《荒野の後継者/Heir of the Wilds》
3《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute》
4《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
1《ファリカの癒し人/Pharika’s Mender》
2《アブザンの先達/Abzan Guide》

その他 20
3《かき集める勇気/Gather Courage》
4《神々との融和/Commune with the Gods》
2《境界の偵察/Scout the Borders》
2《停止の場/Suspension Field》
1《熟達した戦い/Battle Mastery》
4《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
2《残忍な切断/Murderous Cut》
2《強大化/Become Immense》

サイドボード 15
2《再利用の賢者/Reclamation Sage》
1《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》
2《消去/Erase》
3《狩人狩り/Hunt the Hunter》
2《暴風/Windstorm》
3《復仇/Reprisal》
2《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》

 TOP4には、「タルキール覇王譚」からの新メカニズム「探査」を用いたデッキが入賞しました。クリーチャーは少なめに見えますが、《神々との融和》《境界の偵察》で見た目よりも多く手に入ります。2ターン目《融和》からの3ターン目《マンドリル》+αのアクションは強力です。《かき立てる炎》対策で《かき集める勇気》が採用されています。
 環境最強除去と名高い《アブザンの魔除け》《残忍な切断》を多く取っているほか、《強大化》というゲームエンド級のカードも。同型対策の《狩人狩り》、テンポをとりやすい除去の《復仇》と追加の除去がサイドに眠っています。クリーチャーを出して、道をこじ開けて勝つ、という明確なゲームプランが取れる強力なデッキです。

 サイドボードには追加のクリーチャーとして《定命の者の宿敵》。エンチャント対策は多めに、《再利用の賢者》に加えて《消去》が取られています。特に後者は、各種「授与」や《払拭の光》系除去を1マナで対処できるのでありがたいですね。
 本人曰く「赤対策に《部族養い》を取るべきだった」とのことです。確かに、このデッキであれば10点ゲインは簡単にできそうですね。



TOP4 アンザイ タカユキ「ゆきブルーUC」(青単テンポ)
土地 20
4《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
16《島/Island》

クリーチャー 20
4《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4《トリトンの岸忍び/Triton Shorestalker》
4《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》
4《クイックリング/Quickling》
4《幻影の天使/Illusory Angel》

その他 20
4《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》
3《虚空の罠/Void Snare》
2《頑固な否認/Stubborn Denial》
2《トリトンの戦術/Triton Tactics》
4《鐘音の一撃/Singing Bell Strike》
3《軍事情報/Military Intelligence》
2《難局/Hour of Need》

サイドボード 15
2《天空のアジサシ/Welkin Tern》
2《前兆語り/Omenspeaker》
2《霜の壁/Wall of Frost》
1《蛙変化/Turn to Frog》
1《無効/Annul》
2《頑固な否認/Stubborn Denial》
2《否認/Negate》
1《反論/Gainsay》
2《解消/Dissolve》

 前回優勝したデッキのキーカード、《アーティファクトの魂込め》を使ったデッキが今回も入賞です。青単で構築されており、基本は飛行生物によるクロックパーミッションのように動きます。《トリトンの岸忍び》《ジェスカイの長老》といった選択は珍しいですね。カードパワーが低すぎる気がしなくもないですが。
 ドロースペル弱体化が騒がれて久しい昨今、《軍事情報》《長老》での引き増しは、ハマれば強力です。《軍事情報》は設置も軽く、早ければ2ターン目からドローを開始できます。構えながらカードを引ける、というのは、クロパー戦略においてはありがたいですね。

 サイドボードは青系のサイド鉄板の《霜の壁》《否認》のほか、追加のクロックとして《天空のアジサシ》が採用されています。



 いかがでしたでしょうか?
 アンコモン・コモンだけでも十分強力なデッキが組め、メタゲームも生成されるなど、興味深い大会になりました。
 それでは、またの機会に。

コメント

ふぁけ
2014年10月28日1:25

UC杯開催ありがとうございました!

すいません。遅ればせながらリンクさせていただきます~

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