フロンティアに関する考察その1
2016年9月29日 Magic: The Gathering コメント (3)【フォーマットについて】
新しい試みなのだから、賛否両論あるのは当然。
(賛成派の意見)
・どうやってもモダンより安いから参入障壁が低くていい
・ローテーションの関係ですれ違ったカード達のシナジー発掘が面白そう
・日本の最大手がタッグを組んで大会を主催し、賞品を出してくれるのは大きい
(否定派の意見)
・KTK付近のスタンの焼き直しになりそうで「新しい環境」という感じがしない
・そのうちモダンやEDH、タイニーリーダーズと同じことになりそう
・コンテンポラリーそのままじゃないか
・商売の匂いがぷんぷんする
個人的には賛成。
詳しくは省くけど、「販売店側から啓発して能動的に生み出した」(※)ということ自体は素晴らしい取り組みだと思う。結局店舗がないとプレイできない(MOを除く)のだから、その店舗が存続や活性化のために知恵を絞ったという事実はプレイヤーも受け止めるべきだと思う。
ただ、プレイヤー視点からだと文句8割になりそうなのでやめておく。とはいっても、だらだら不平不満を言う前に、デッキの2つ3つでも作ってから文句を言うべきだろう。自分は、せっかくの機会を享受してから、真面目に取り組むかどうか考える。
※可能性として「WotCが日本の店舗に新市場の依頼をした」ということも考えられなくはないけど、そういう感じではなさそうだ。ただ、サンプルデッキリストがお粗末なので急造だったのは否めない。
【環境について】
箇条書きで。
・多くの方の懸念通り、今のところKTKの主要アーキタイプが強いだろうという印象。多色(楔3色)を内包するため仕方ない。
・マナベースはKTKのフェッチランド&BFZのバトルランドの組み合わせが安定。3色以上のデッキにおけるダブルシンボルが厳しいのも同じ。速攻系の対抗色デッキのみKLDのファストランド+M15・ORIのダメージランドが使えるが、前者との噛み合わせが悪い。
・アグロ、コンボ(=ラリー)優位で、軽量除去の限られる青系コントロールは厳しそう。ただし、《ヴリンの神童、ジェイス》《宝船の巡航》《時を超えた探索》を擁しているため、現環境ほどの絶望感はない。黒や緑にもアドバンテージ獲得方法が多く、コントロールが不成立となるわけではない。
【既存のアーキタイプ】
(1)アグロ系
・アブザンアグロ/多色アブザン
下馬評通り、環境の雄。管理人、進化、アナフェンザ、包囲サイ、以下略。プール拡大により手薄だった2~3マナ域が大幅強化、《森の代言者》《残忍な剥ぎ取り》《不屈の追跡者》と緑絡みの強力生物が後世に追加されている。トップメタに近い位置にいるが、盤石というわけではなく、速攻系のデッキに脆い一面もあり、いかに低マナ域が補強されようとクリーチャーを除去されると厳しい。《思考囲い》は使えないため干渉手段も限られる。
・アタルカレッド/赤単
環境最速。基本的にスタンダード期と採用可能なカードは変わらないが、《ゴブリンの熟練先導者》《かき立てる炎》の加入は心強い。より直接ライフを攻めることが可能に。《強大化》《ティムールの激闘》パッケージの採用か、一発を狙わないスライスタイルかでデッキ構成が変わってくる。トークン系にとって《密輸人の回転翼機》は継戦能力を高める貴重な新戦力。
・白単/白黒戦士
アタルカレッドに並ぶ環境最速アーキタイプ。基本はDTK~EMN期の白単だが、《刃の隊長》《鱗の隊長》に加えて《血顎の憤怒鬼》が強力な白黒戦士に《永遠の見張り》を追加するアーキタイプも考えられる。ダメージランドに加えてファストランドも採用できるためマナベースは安定しそう。《隊長》は人間なので、人間に寄せて《サリアの副官》の能力を安定させるロード過多の構成もありか。緑をタッチした《集合した中隊》採用型も爆発力十分。
(2)ミッドレンジ/クロック系
・バントカンパニー/バント人間カンパニー
ビート・コントロールとして前環境を席巻。友好色フェッチ+BFZランドで序盤のもたつきが緩和されつつ《不屈の追跡者》が大幅強化されたが、《博覧会場の警備員》でクリーチャーに直接触れるようになった他は特に真新しい戦力追加もない(そのぐらい元のパーツが強いだけという話も)。中隊系デッキは4Cラリーやエルフにお株を奪われる可能性がある。人間カンパニーは《サリアの副官》とかみ合う人間生物の増加からスピードが増加。
・ジェスカイテンポ/ジェスカイトークン/ダークジェスカイ
クリーチャーとスペルの選択に幅ができる恩恵を一番享受できるアーキタイプ。何と言ってもM15の使用可能によって《ゴブリンの熟練扇動者》《稲妻の一撃》《かき立てる炎》がリーガルになるのがKTK~OGW期との一番の違い。《革命的拒絶》もテンポ戦略を後押しする。クロックパーミッションからコントロールまで様々な形にカスタマイズ可能で、メタに合わせたデッキ構築が試される玄人向けのアーキタイプになる。サイド後の投入カードを《時を超えた探索》で探しやすいのも環境初期はアドバンテージ。というか《奔流の機械巨人》+《時を越えた探索》はほんと詐欺。(脳内では
・マルドゥグリーン/ナヤブラック
ハンデスを一番うまく使えるアーキタイプ。マナベースの安定感に欠けるものの、ボードコントロール力は高く、ミッドレンジやコントロールにめっぽう強い。ジェスカイと違い序盤のもたつきを解消するカードは少ないが、緑の優良クリーチャーによる押さえこみが可能なため一長一短。メインボードでの単体除去・全体除去のバランスがポイントになってくる。メタ次第。
・緑黒昂揚/シディシウィップ
ウィップないけど。墓地を肥やして《残忍な剥ぎ取り》《血の暴君、シディシ》で攻め立てるアーキタイプ。《エムラクール》に寄せた型やアグロに寄せた型など、様々な形が考えられる。いずれにしても《アナフェンザ》《カリタス》が健在であり、使用率によっては枕を涙で濡らす羽目になりそうなので、アブザンが有力視されている間は使用を控えるべきか。
(3)コントロール/ランプ
・エスパーコントロール/エスパードラゴンズ
探査ドロー+《ジェイス》による長期的なアドバンテージ力は健在。基本的にKTK~OGW間の構成となるが、フィニッシャーとして隙のない《大天使アヴァシン》も魅力。《シルムガルの嘲笑》を使用するかどうかでデッキ構成は大きく変わる。《命運の核心》《衰滅》などリセット手段は豊富なため、環境のスピードについていけるかが勝負。
・赤緑ランプ/青赤緑「現出」
フィニッシャー《精霊龍、ウギン》や《約束された終末、エムラクール》まで到達できるかどうかがポイント。《コジレックの帰還》+現出コンボはアグロ過多なら有効だが、テンポ系のデッキ(アブザンやジェスカイ)に対してはやや遅く、ラリーに意味をなさない印象もある。軸をずらした戦いが可能だが、《無限の抹消》《失われた遺産》と専用対策カードもあり、積まれ方によっては厳しい。
(4)コンボ
・4Cラリー/エルフラリー
環境に許された(ほぼ唯一の)コンボ。墓地肥やしと安定化を兼ねる《サテュロスの道探し》、シルバーバレットとして《召喚の調べ》《異界の進化》が使用可能で、《集合した中隊》のみのサーチより安定する。環境の有用な墓地対策が《トーモッドの墓所》程度しかないためトップメタ候補。メタカードであるアブザンアグロの《先頭に立つもの、アナフェンザ》《ゲトの裏切り者、カリタス》は《反射魔道士》等で対応可能で、《ズーラポートの殺し屋》で赤系にも強い。《エルフの神秘家》が使用可能なので《群れのシャーマン》系ラリーも使用可能。
・ジェスカイの隆盛コンボ
《撤退のらせん》がないため《大自然の反撃》等で土地をクリーチャー化するルートでの無限コンボとなる。《森の女人像》が使用不可のため他のマナクリで代用する形となり安定感に欠けるが、回ったときのキルターンの早さは魅力。スタンの際に苦しめられた《思考囲い》は不在だが《ドロモカの存在》が懸念。1マナキャントリップも増え(特に《促進》は大幅強化につながった)、また《宝船の巡航》もリーガルなため、ゼロックス系デッキとして環境を席巻するポテンシャルは十分ある。
・変位エルドラージ系コンボ
《変位エルドラージ》+《血統の観察者》+《ズーラポートの殺し屋》など。クリーチャー主体のコンボのため揃えるのに難儀するが、その分クリーチャーデッキには強い。コンボパーツを探しに行けるスペルとして《召喚の調べ》も追加されたため、安定感が増した。シルバーバレット系のデッキになるためサイドボード後の柔軟性も魅力。トップメタの赤単に強そうなのが良い。
【新しく想定されるアーキタイプ】
・赤単ゴブリン
《ゴブリンの熟練扇動者》+《ゴブリンの群衆追い》が夢の共演。基本はトークン+《無謀な奇襲隊》というパッケージを詰め込んだ赤単系スライ。アタルカレッドに近いが、カード同士のシナジーによる爆発力を重視する。
・緑系シルバーバレット
《召喚の調べ》《異界の進化》の2種のサーチカードを使った《出産の殻》系アーキタイプ。《変位エルドラージ》絡みの無限コンボが勝利に近いが、カードプールの拡大によりコンボ以外の勝ち筋も増加。《激変の機械巨人》によるリセット、《女王スズメバチ》によるアグロ殺し、《悪魔の声、ブリセラ》の高速召喚、なども考えられる。《エルフの幻想家》《金線の使い魔》など種ポケも多岐に渡るが、ラリーやジェスカイ・マルドゥ系など苦手も多い。
・青赤バーン/ジェスカイの隆盛ゼロックス
手札をダンプしてくるデッキが多い見込みのため、《熱病の幻視》バーンは成立が難しそうだが、《ジェスカイの隆盛》は《氷の中の存在》《熱錬金術師》で殴り殺す/焼き殺すパターンも手に入れ《僧院の導師》依存を抜け出したため、2つを併用するデッキが生まれそう。《真面目な訪問者、ソリン》の存在が向かい風だが、クリーチャー主体の環境になればなるほど相手の無駄杯を増やせるため、この手のデッキは強い。
・ドレッジ
共鳴者+墓地シナジーで戦うアーキタイプ。《屑鉄場のたかり屋》や探査と《永遠の災い魔》がシナジーし《秘蔵の集合体》《血に染まった勇者》がガンガン戻ってくる。フィニッシャーとして《テーロスの魂》サイクルなども使える。環境の速度が噛み合えばコントロールにはめっぽう強いアーキタイプとなるが、使用率が高くなるであろう《アナフェンザ》《カリタス》の存在が思いっきり逆風で、メタ次第。
・メガハンデス
《精神背信》《コラガンの命令》をはじめとしたハンデスを《ゴブリンの闇住まい》《ジェイス》等で使いまわし、《衰滅》《オブ・ニクシリス》等でボードアドバンテージを得ていく古式ゆかしいアーキタイプ。速攻系アグロ以外は(引き次第で)封殺できる魅力があるが、環境が早い場合は南無三。
疲れたので今日はここまで。
最後にゴブリンのリストだけ上げておきます。
ちょっと気に入らないところがあるので調整は必要かも。
新しい試みなのだから、賛否両論あるのは当然。
(賛成派の意見)
・どうやってもモダンより安いから参入障壁が低くていい
・ローテーションの関係ですれ違ったカード達のシナジー発掘が面白そう
・日本の最大手がタッグを組んで大会を主催し、賞品を出してくれるのは大きい
(否定派の意見)
・KTK付近のスタンの焼き直しになりそうで「新しい環境」という感じがしない
・そのうちモダンやEDH、タイニーリーダーズと同じことになりそう
・コンテンポラリーそのままじゃないか
・商売の匂いがぷんぷんする
個人的には賛成。
詳しくは省くけど、「販売店側から啓発して能動的に生み出した」(※)ということ自体は素晴らしい取り組みだと思う。結局店舗がないとプレイできない(MOを除く)のだから、その店舗が存続や活性化のために知恵を絞ったという事実はプレイヤーも受け止めるべきだと思う。
ただ、プレイヤー視点からだと文句8割になりそうなのでやめておく。とはいっても、だらだら不平不満を言う前に、デッキの2つ3つでも作ってから文句を言うべきだろう。自分は、せっかくの機会を享受してから、真面目に取り組むかどうか考える。
※可能性として「WotCが日本の店舗に新市場の依頼をした」ということも考えられなくはないけど、そういう感じではなさそうだ。ただ、サンプルデッキリストがお粗末なので急造だったのは否めない。
【環境について】
箇条書きで。
・多くの方の懸念通り、今のところKTKの主要アーキタイプが強いだろうという印象。多色(楔3色)を内包するため仕方ない。
・マナベースはKTKのフェッチランド&BFZのバトルランドの組み合わせが安定。3色以上のデッキにおけるダブルシンボルが厳しいのも同じ。速攻系の対抗色デッキのみKLDのファストランド+M15・ORIのダメージランドが使えるが、前者との噛み合わせが悪い。
・アグロ、コンボ(=ラリー)優位で、軽量除去の限られる青系コントロールは厳しそう。ただし、《ヴリンの神童、ジェイス》《宝船の巡航》《時を超えた探索》を擁しているため、現環境ほどの絶望感はない。黒や緑にもアドバンテージ獲得方法が多く、コントロールが不成立となるわけではない。
【既存のアーキタイプ】
(1)アグロ系
・アブザンアグロ/多色アブザン
下馬評通り、環境の雄。管理人、進化、アナフェンザ、包囲サイ、以下略。プール拡大により手薄だった2~3マナ域が大幅強化、《森の代言者》《残忍な剥ぎ取り》《不屈の追跡者》と緑絡みの強力生物が後世に追加されている。トップメタに近い位置にいるが、盤石というわけではなく、速攻系のデッキに脆い一面もあり、いかに低マナ域が補強されようとクリーチャーを除去されると厳しい。《思考囲い》は使えないため干渉手段も限られる。
・アタルカレッド/赤単
環境最速。基本的にスタンダード期と採用可能なカードは変わらないが、《ゴブリンの熟練先導者》《かき立てる炎》の加入は心強い。より直接ライフを攻めることが可能に。《強大化》《ティムールの激闘》パッケージの採用か、一発を狙わないスライスタイルかでデッキ構成が変わってくる。トークン系にとって《密輸人の回転翼機》は継戦能力を高める貴重な新戦力。
・白単/白黒戦士
アタルカレッドに並ぶ環境最速アーキタイプ。基本はDTK~EMN期の白単だが、《刃の隊長》《鱗の隊長》に加えて《血顎の憤怒鬼》が強力な白黒戦士に《永遠の見張り》を追加するアーキタイプも考えられる。ダメージランドに加えてファストランドも採用できるためマナベースは安定しそう。《隊長》は人間なので、人間に寄せて《サリアの副官》の能力を安定させるロード過多の構成もありか。緑をタッチした《集合した中隊》採用型も爆発力十分。
(2)ミッドレンジ/クロック系
・バントカンパニー/バント人間カンパニー
ビート・コントロールとして前環境を席巻。友好色フェッチ+BFZランドで序盤のもたつきが緩和されつつ《不屈の追跡者》が大幅強化されたが、《博覧会場の警備員》でクリーチャーに直接触れるようになった他は特に真新しい戦力追加もない(そのぐらい元のパーツが強いだけという話も)。中隊系デッキは4Cラリーやエルフにお株を奪われる可能性がある。人間カンパニーは《サリアの副官》とかみ合う人間生物の増加からスピードが増加。
・ジェスカイテンポ/ジェスカイトークン/ダークジェスカイ
クリーチャーとスペルの選択に幅ができる恩恵を一番享受できるアーキタイプ。何と言ってもM15の使用可能によって《ゴブリンの熟練扇動者》《稲妻の一撃》《かき立てる炎》がリーガルになるのがKTK~OGW期との一番の違い。《革命的拒絶》もテンポ戦略を後押しする。クロックパーミッションからコントロールまで様々な形にカスタマイズ可能で、メタに合わせたデッキ構築が試される玄人向けのアーキタイプになる。サイド後の投入カードを《時を超えた探索》で探しやすいのも環境初期はアドバンテージ。というか《奔流の機械巨人》+《時を越えた探索》はほんと詐欺。(脳内では
・マルドゥグリーン/ナヤブラック
ハンデスを一番うまく使えるアーキタイプ。マナベースの安定感に欠けるものの、ボードコントロール力は高く、ミッドレンジやコントロールにめっぽう強い。ジェスカイと違い序盤のもたつきを解消するカードは少ないが、緑の優良クリーチャーによる押さえこみが可能なため一長一短。メインボードでの単体除去・全体除去のバランスがポイントになってくる。メタ次第。
・緑黒昂揚/シディシウィップ
ウィップないけど。墓地を肥やして《残忍な剥ぎ取り》《血の暴君、シディシ》で攻め立てるアーキタイプ。《エムラクール》に寄せた型やアグロに寄せた型など、様々な形が考えられる。いずれにしても《アナフェンザ》《カリタス》が健在であり、使用率によっては枕を涙で濡らす羽目になりそうなので、アブザンが有力視されている間は使用を控えるべきか。
(3)コントロール/ランプ
・エスパーコントロール/エスパードラゴンズ
探査ドロー+《ジェイス》による長期的なアドバンテージ力は健在。基本的にKTK~OGW間の構成となるが、フィニッシャーとして隙のない《大天使アヴァシン》も魅力。《シルムガルの嘲笑》を使用するかどうかでデッキ構成は大きく変わる。《命運の核心》《衰滅》などリセット手段は豊富なため、環境のスピードについていけるかが勝負。
・赤緑ランプ/青赤緑「現出」
フィニッシャー《精霊龍、ウギン》や《約束された終末、エムラクール》まで到達できるかどうかがポイント。《コジレックの帰還》+現出コンボはアグロ過多なら有効だが、テンポ系のデッキ(アブザンやジェスカイ)に対してはやや遅く、ラリーに意味をなさない印象もある。軸をずらした戦いが可能だが、《無限の抹消》《失われた遺産》と専用対策カードもあり、積まれ方によっては厳しい。
(4)コンボ
・4Cラリー/エルフラリー
環境に許された(ほぼ唯一の)コンボ。墓地肥やしと安定化を兼ねる《サテュロスの道探し》、シルバーバレットとして《召喚の調べ》《異界の進化》が使用可能で、《集合した中隊》のみのサーチより安定する。環境の有用な墓地対策が《トーモッドの墓所》程度しかないためトップメタ候補。メタカードであるアブザンアグロの《先頭に立つもの、アナフェンザ》《ゲトの裏切り者、カリタス》は《反射魔道士》等で対応可能で、《ズーラポートの殺し屋》で赤系にも強い。《エルフの神秘家》が使用可能なので《群れのシャーマン》系ラリーも使用可能。
・ジェスカイの隆盛コンボ
《撤退のらせん》がないため《大自然の反撃》等で土地をクリーチャー化するルートでの無限コンボとなる。《森の女人像》が使用不可のため他のマナクリで代用する形となり安定感に欠けるが、回ったときのキルターンの早さは魅力。スタンの際に苦しめられた《思考囲い》は不在だが《ドロモカの存在》が懸念。1マナキャントリップも増え(特に《促進》は大幅強化につながった)、また《宝船の巡航》もリーガルなため、ゼロックス系デッキとして環境を席巻するポテンシャルは十分ある。
・変位エルドラージ系コンボ
《変位エルドラージ》+《血統の観察者》+《ズーラポートの殺し屋》など。クリーチャー主体のコンボのため揃えるのに難儀するが、その分クリーチャーデッキには強い。コンボパーツを探しに行けるスペルとして《召喚の調べ》も追加されたため、安定感が増した。シルバーバレット系のデッキになるためサイドボード後の柔軟性も魅力。トップメタの赤単に強そうなのが良い。
【新しく想定されるアーキタイプ】
・赤単ゴブリン
《ゴブリンの熟練扇動者》+《ゴブリンの群衆追い》が夢の共演。基本はトークン+《無謀な奇襲隊》というパッケージを詰め込んだ赤単系スライ。アタルカレッドに近いが、カード同士のシナジーによる爆発力を重視する。
・緑系シルバーバレット
《召喚の調べ》《異界の進化》の2種のサーチカードを使った《出産の殻》系アーキタイプ。《変位エルドラージ》絡みの無限コンボが勝利に近いが、カードプールの拡大によりコンボ以外の勝ち筋も増加。《激変の機械巨人》によるリセット、《女王スズメバチ》によるアグロ殺し、《悪魔の声、ブリセラ》の高速召喚、なども考えられる。《エルフの幻想家》《金線の使い魔》など種ポケも多岐に渡るが、ラリーやジェスカイ・マルドゥ系など苦手も多い。
・青赤バーン/ジェスカイの隆盛ゼロックス
手札をダンプしてくるデッキが多い見込みのため、《熱病の幻視》バーンは成立が難しそうだが、《ジェスカイの隆盛》は《氷の中の存在》《熱錬金術師》で殴り殺す/焼き殺すパターンも手に入れ《僧院の導師》依存を抜け出したため、2つを併用するデッキが生まれそう。《真面目な訪問者、ソリン》の存在が向かい風だが、クリーチャー主体の環境になればなるほど相手の無駄杯を増やせるため、この手のデッキは強い。
・ドレッジ
共鳴者+墓地シナジーで戦うアーキタイプ。《屑鉄場のたかり屋》や探査と《永遠の災い魔》がシナジーし《秘蔵の集合体》《血に染まった勇者》がガンガン戻ってくる。フィニッシャーとして《テーロスの魂》サイクルなども使える。環境の速度が噛み合えばコントロールにはめっぽう強いアーキタイプとなるが、使用率が高くなるであろう《アナフェンザ》《カリタス》の存在が思いっきり逆風で、メタ次第。
・メガハンデス
《精神背信》《コラガンの命令》をはじめとしたハンデスを《ゴブリンの闇住まい》《ジェイス》等で使いまわし、《衰滅》《オブ・ニクシリス》等でボードアドバンテージを得ていく古式ゆかしいアーキタイプ。速攻系アグロ以外は(引き次第で)封殺できる魅力があるが、環境が早い場合は南無三。
疲れたので今日はここまで。
最後にゴブリンのリストだけ上げておきます。
land20
4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1《燃えがらの林間地/Cinder Glade》
9《山/Mountain》
1《森/Forest》
1《同盟者の宿営地/Ally Encampment》
creature20
4《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
4《激情のゴブリン/Frenzied Goblin》
4《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
4《無謀な奇襲隊/Reckless Bushwhacker》
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
other20
4《焦熱の衝動/Fiery Impulse》
4《アタルカの命令/Atarka’s Command》
4《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
4《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4《かき立てる炎/Stoke the Flames》
sideboard15
4《雷破の執政/Thunderbreak Regent》
3《引き裂く流弾/Rending Volley》
3《粉々/Smash to Smithereens》
3《乗っ取り/Hijack》
2《山/Mountain》
ちょっと気に入らないところがあるので調整は必要かも。
コメント
下馬評通りしばらくはKTK〜BFZ期のデッキに新カードの中からカードパワーの高いカードを差し込んだアーキタイプの活躍が見込まれそうですね。
ありがとうございます。よろしくお願いします。
カードプールが十分に広くないので、既存のアーキタイプが活躍するのはやむなし、といったところでしょうか。