とりあえずSCG結果からメタ動向を見ていくことに。


■G/B Aggro
 初期環境の勝者。フリプしてみたけど、型にはまったときの爆発力が段違い。2T蛇、3Tリシュカー、4T機械巨人のムーブは台パン。そこに《歩行バリスタ》で除去やコンボ睨みが加わるともう手がつけられない。2色ゆえの安定性がなによりの売りなので、こういった環境初期の長期戦では安定した強さを見せた格好に。
 しかし勝った3名のリストはバラバラ。三者三様の構築のため、今後どのタイプが流行るかも注目したい。

【1st】
 従来のB/G Derilium Aggroとの中間のようなデッキ。昂揚カードは4種12枚、サイドに《イシュカナ》1枚を採用。
 2マナ域に《残忍な剥ぎ取り》、4マナ域に《精神壊しの悪魔》を採用、出回っているリストより重めの構成。昂揚系カードを4種類採用してはいるものの、達成用のカードがあるわけでもなく、PWの採用もない。しなければいいや、ぐらいの感覚。多少重いデッキでも、土地を《ウルヴェンワルド横断》の採用で切り詰められるのは利点。このあたりはB/G Deriliumっぽい。
 重めにシフトすることによる一番の強みは、サイドボードの《ヤヘンニの巧技》で影響を受ける対象を少なくできること。ただし重めの構成がたたり、序盤に弱い各種PWを採用できず、そのために昂揚が遠のいているのは事実。PWを切り捨てて《破滅の道》にしたのは、アグロおよびサヒーリコンボに対して強く、優勝も納得。
 サヒーリコンボにはサイドボードにかなりのヘイトが見られる。特にコンボコントロールに対しての《失われた遺産》はどちらを抜いてもお得。

【2nd】
 G/B Energyともいえる構築で、2マナ域を厚く(12枚+《歩行バリスタ》)取ることで《リシュカー》の能力を生かすことに主眼を置いている。《光袖会の収集者》は威迫持ちで相性はよく、G/W Tokensにも強い。3マナも多め、4マナ以降はスカスカ。《新緑の機械巨人》を2枚に抑えてまで序盤の爆発力に特化している。
 エネルギー採用による利点は《霊気拠点》を長く活用できること。序盤のマナ拘束が厳しいためアンタップインは必須だが、構成にエネルギーをうまく取り入れることで中盤の事故も防止できる。《進化する未開地》のテンポロスを嫌った形と言える。また、爆発力維持のためにサイドボードに《精神背信》フル投入でミッドレンジへの耐性を上げる作戦。狙い通りだったかもしれない。

【3rd】
 シンプルな味付け、というか素直に組んだらこうなる、という感じの構築だが、2マナ域の《森の代言者》を避ける人が多い中で、このデッキにはフル投入されている。《致命的な一押し》で対処されやすい以外、《ショック》単体で落ちず、マナフラにも強く、ミシュラランドとの相性もいい優等生。このアーキタイプ自体、2マナ域にばらつきがあるため議論の余地がありそう。《キランの真意号》も2枚採用。
 追加の3マナ域には《地下墓地の選別者》。4ターン目《機械巨人》を視野に入れつつドロー操作もでき、《リシュカー》との相性もよく、《キランの真意号》の搭乗要員も1枚で確保できる。その代わり《不屈の追跡者》は不採用。このあたりは割り切りが重要か。
 サイドボードが《ヤヘンニの巧技》でなく《鞭打つ触手》なのは、2/3が12体いるため。確かに早いアグロには軽い方がいいし、自軍の影響が少ない方を選ぶべきだろう。追放効果も《屑鉄場のたかり屋》に強い。(環境にいるかどうかは謎)

■G/W Tokens
 まず何よりも、最大勢力だったCopy CatがSEに3人進出したにもかかわらず、SEではG/B Constrictor(と仮に名付けよう)とこのG/W Tokensにあたりすべて1回戦で敗れている、ということを認識するべき。
 というわけでG/W Tokens。《搭載歩行機械》の時は一世を風靡したデッキだが、当時と違い《大天使アヴァシン》は不採用、アグロ色の強いデッキとなっている。8枚のPWを軸にガンガン攻めるデッキで、見た目よりキルターンはずっと早い。2マナ域《ラムホルトの平和主義者》は《真意号》《ニッサ》《リシュカー》とシナジーがあり、《真意号》は想定より早く殴り続ける。
 ところで全員が《不撓のアジャニ》をサイドに入れてるんだけどこれなに? デッキの半分以上は非土地パーマネントだから最低1枚は引けるだろうけど……。

【4th】
 少し土地が多めで、《歩行バリスタ》不採用。Copy Catへの回答は、なんとメイン《領事の権限》。たまったもんじゃない。環境柄エンチャントに触りづらく、対策として最有力のカードであることは間違いない。ただメインとは……たまげたなぁ……。そして除去が3枚の《停滞の罠》のみというシンプルさ。他は大体肉。
 友好2色はファストランドとミシュラランドを使えない代わりにバトルランド、見せランド(?)を積めるため、4マナ時のテンポ損が少ないのも魅力。4Tギデオンは正義。それにしても相当Saheeliを警戒していたのは分かり、4マナ域として文句なく採用したい《スラムの巧技》はコンボターンにタップアウトしてしまうためサイドボードからの投入。このあたりはメタ次第なのか。

【9th】
 こちらは《歩行バリスタ》フル投入で《大天使アヴァシン》入り(とはいっても1枚)で、昔のG/W Tokensに近い。除去の枚数は4thのものと比べ《石の宣告》が2枚増えて、計5枚。《バリスタ》も含めて9枚で、ボードコントロール力が高いタイプ。《新緑の機械巨人》は2枚。G/B Constrictorより必殺技(バリスタ巨人)の威力が低いのもあり、無理に狙っていく感じではないんだろうなぁ。
 《領事の権限》はサイドボードに2枚。代わりに、腐ることの少ない《異端聖戦士、サリア》をメインにいれることでそこはかとないコンボ抑制に(すぐ焼かれそうだけど)。サイドボードの《無私の霊魂》は、同系相手など、航空戦力が手薄な相手にプレッシャーを与える良いカード。

【14th】
 素直に組んだらこうなるのかな、という一つの形。ところどころ3枚積みが目立つのは調整の結果だろうか。ぶっちゃけ特徴的なカード選択がないのでコメントに困るレベル。
 しかし、《サリア》はメイン1サイド1のみで、しかも《領事の権限》は採用していないため、この中では一番Copy Catに対するガードが低いことになる。それでここまで勝ち上がってきたのだから、デッキのパワーや速度は本物なのだろう(と、思う)。

【5th~7th】Copy Cat
 http://labmaniac.diarynote.jp/201701240038562877/
 偉いお方がまとめてましたので、Saheeli使いたい人はこちらへどうぞ。ちなみに12位にコントロールタイプのJeskai Saheeli、16位にEtB持ち生物が多めの4C Saheeliがランクインしてました。メタゲームに多かった割にはG/Bに食われてしまった印象。誓い祭りはちょっと面白い。《ニッサの誓い》ブリンクで擬似《海門の神官》になるギミックは、今後この手のデッキの基本になりそう。《ジェイスの誓い》なんかも面白いかもね。

【8th】Mardu Vehicle
 前回のトップメタ(だった時期もある)VehicleはMarduで入賞。
 《回転翼機》退場の穴は、予想通り《キランの真意号》。退場のあおりを受けて《発明家の見習い》は2枚まで減少。他はいつもの面々なので特にコメントもなし。
 スペル構成には新風が。Saheeliを1マナで対策できてメインに投入しやすい《ショック》のフル投入で、「あと1点なんだ! この《蓄霊稲妻》が本体に打てれば!」という、機体あるあるを回避することに成功。8位に甘んじた理由は、《歩行バリスタ》がどうしようもない、という点に尽きるのではないかと。流行るようだとVehicleの活躍は厳しいかもしれない。そもそもB/G系は軒並み2/3なので《ショック》圏外なんだよなぁ。《致命的な一押し》にしちゃうのもありかも。というかそうなれば無敵? 5/5の《キランの真意号》は強いよ。

【10th】Esper Aggro
 前環境の終盤に登場した、W/U Flashに《屑鉄場のたかり屋》を入れたタイプのEsper Aggroがランクイン。2種類の禁止カードを生み出したとあって業が深いデッキタイプ。さすがにパワーダウンは否めないが、それでもここまで来ちゃうのか、という印象。キーワードは「高速化に成功」。マグネットコーティング後のような感じ?
 《回転翼機》の後釜には、なんと《模範的な造り手》(と2枚の《キランの真意号》)が座り、気になる《反射魔道士》の席には、環境屈指のうまぶりカード《金属の叱責》がフル投入。コンボやミッドレンジ耐性をカバーしながら、よりクロパー色を高めている。はまれば往年のU/W Delverみたいな動きができそう。
 構造的に《リリアナ》相手にとても弱いため、メインから《永遠の見守り》を採用することで耐性を上げている。

【11th】B/W Aggro
 Esper Aggroから潔く青を抜きました、といった感じのデッキタイプ。個人的にはこちらのほうがすっきりしていいな、という印象(コンボには弱くなるけど)。
 基本的には1~2マナ圏を展開、機体と生物で殴りつつPWと除去で蓋、という展開を目指すデッキだが、存在自体はメタゲームの産物といった感じ。《一押し》4枚のためG/B Constrictorにテンポ負けしないこと、豊富な除去+《サリア》でCopy Catを封殺できるよう、環境をよく見ているデッキだと思う。
 早いデッキのため《苦渋の破棄》を4枚フル投入、8枚+《リリアナ》の体制で早期の決着を目指す。長期戦に弱いわけでもなく、ミシュラランドと《たかり屋》がいる他、必殺の《アヴァシン》+《無私の霊魂》コンボも搭載で高速ビート相手にも強い。
 サイドボードの《グリフの加護》は長期戦向けのカード。《たかり屋》と併せて、何度も復活する4/2飛行は、飛行生物が手薄な環境なら強い。以前は《回転翼機》強すぎ、《イシュカナ》流行りすぎ問題で採用されなかったシナジーなので、今後要注目。

【13th】U/R Control
 古典的なコントロール。コンボ過多のメタ、かつ除去が《一押し》《闇の掌握》に寄っているならメタとして全然あり。《ショック》でクソビート相手に速度負けしなくなり、またCopy Cat相手にも1枚握っていれば安心できるのは大きい。ただB/Gのクリーチャー落とせないんですがそれは……。
 強いて言うなら《粗暴な排除》が珍しい採用。《奔流の機械巨人》を使いまわしたり、コンボ成立を止めたり、時間を稼いだりと芸達者。これも《回転翼機》に対して弱いカードだったので、禁止の影響か。カードパワーが高くない4マナなので、洗練されると抜けてくるかもしれない。意外性があるうちは1枚の採用はありかも。
 勝ち筋が細いので、《失われた遺産》を通さないように必死になるか、通してしまった場合は神に祈ろう。

【15th】U/B Control
 古典的なヤソ。乗り手はバントカンパニーをいち早く乗りこなしたJim Davis。 U/Rとの違いは確定除去の多さ。さすがに黒、という感じ。反面、失ったものはミシュラランドなので、勝ちはかなり遠い。この色のコントロールの宿命なので、割り切ってどうにかしましょう。メイン・サイドともにハンデスを採用せず、基本的にメイン11枚の打ち消しで対処していくスタイル。完全後出し系なので土地は27と多めで、サイド後のミラーを見越して28枚目の土地まで取っている始末。好きなんすねぇ……。
 コントロールミラー必殺兵器《終止符のスフィンクス》がサイドにしれっと1枚。基本的にたどり着けば勝ちなので、《餌食》をくらわないように気を付けましょう。



 各地でもCopy CatとG/B Constrictorが流行の兆し。さて、メタはどう動くのでしょうか。

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