http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=14449&writer=Seth+Manfield&articledate=2-13-2018
 ジェイスとちあみん解禁に(市場の値段が)湧いていたので、海外プロの評価が気になって雑に翻訳してみました。記事はTCG Player.comより、世界選手権15王者・Seth Manfieldが書いています。
 いつものことですが雑訳注意。ところどころ適当です。

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Brewing with Jace and Bloodbraid Elf
Seth Manfield
2/13/2018 11:02:00 AM

 今回、モダンに禁止解除が行われるチャンスだとは知っていたけど、正直可能性はほとんどないかな、と思っていたところだった。《精神を刻む者、ジェイス》も《血編み髪のエルフ》も長い間禁止されていたし、禁止解除するタイミングも十分あったはずだしね。突然この2枚が禁止解除されたモダン環境は激変するだろう。

 おそらくだが、《ジェイス》が「25周年マスターズ」に収録されることも今回の解禁理由の一つだと思う。これだけ強力なプレインズウォーカーを刷り直すのを正当化できる理由が必要だからね。《ジェイス》はレガシーで使われ続けているけど、《師範の占い独楽》禁止後はそこまで使われているわけでもなかったけど、《ジェイス》の熱狂的なファンがいることも考えなきゃいけなかったんだろう。

 《ジェイス》は《血編み髪のエルフ》よりよっぽど強力だと思う。《ジェイス》は青のミッドレンジ戦略全般に合致するカードだ。一方、《血編み髪のエルフ》が使えるかどうかの意見は分かれているようだね。ジャンドおじさんたちの手によってクラシックジャンドを復活させる方法の一つとして、うまくいきそうな気がする。一方で、続唱メカニズムを好まないプレイヤーが多いことも事実だ。

 《血編み髪》は《ジェイス》に対抗できる手段の一つとして解禁され、今後互いにマッチアップするようになるだろう。この2枚がどれだけプレイされるようになるかははっきりしない。WotCがこの2枚を解禁したのは多くのテストを重ねたと信じているが、モダンというフォーマットは多様性がありすぎて、何が起こるか予測するのは難しい。

 モダンは今、健全な環境に行きついた。「壊れていないなら、その環境を固定しないこと」。うん、りろんはしってる。この2枚は環境をそこまで壊すことはないだろう。4マナ域をたくさん入れたいデッキはたくさんある。モダン環境を変化させるのに悪い方法ではない。この2枚が使われるアーキタイプが人気になるんだったら、アグロやコンボ戦略がこれらのカードに対してより有効な回答になるわけだ。


《ジェイス》を使ったデッキ
 《ジェイス》が行き着く先はどこだろう? 現存するデッキから話をすると、ランタンコントロールには75枚中に2枚は採用できると思う。でも、だからといってランタン使いの皆さんは喜んでばかりいられないぞ。そもそも《ジェイス》自体がランタンコントロールに対してとても有効で、即座に《真髄の針》を刺すよう要求される。

 たとえば緑系トロンから《ジェイス》が出てくるようなビックリドッキリメカはさすがにないだろう(ごめん、ひょっとしたら2週間後には前言撤回してるかもしれない)。緑系なら、緑のクリーチャーを基軸にしたバントミッドレンジにはすんなり収まりそうだ。

【デッキリスト:Bant Company】
creature 31
3 《極楽鳥/Birds of Paradise》
1 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4 《献身のドルイド/Devoted Druid》
3 《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter》
3 《永遠の証人/Eternal Witness》
2 《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》
1 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
1 《反射魔道士/Reflector Mage》
1 《無私の霊魂/Selfless Spirit》
4 《呪文捕らえ/Spell Queller》
3 《療治の侍臣/Vizier of Remedies》
1 《歩行バリスタ/Walking Ballista》

spell 8
4 《召喚の調べ/Chord of Calling》
4 《集合した中隊/Collected Company》

land 21
1 《植物の聖域/Botanical Sanctum》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
3 《森/Forest》
2 《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
1 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2 《地平線の梢/Horizon Canopy》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1 《平地/Plains》
2 《寺院の庭/Temple Garden》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》

sideboard 15
1 《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
1 《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》
1 《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》
3 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
1 《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》
1 《コーの火歩き/Kor Firewalker》
3 《流刑への道/Path to Exile》
1 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《反射魔道士/Reflector Mage》
2 《統一された意思/Unified Will》

 このデッキならおそらく、《ジェイス》を入れるに値する。デッキに入っている大量のシャッフル手段で《渦巻く知識》を効果的に使えるし、コンボパーツを揃えるのにも役に立つ。そう考えると、典型的なミッドレンジやコントロールだけでなく、コンボ戦略においても有効だということになる。ただ、このデッキにおいては《集合した中隊》でヒットするカードの枚数が重要になるので、4枚入れることは難しいだろう。入れるとしても1~2枚に収まるんじゃないかな。

 《ジェイス》の本来の居場所はコントロールデッキだろう。青主体のデッキにパワフルなカードが加わるわけだが、それはどれだけいいことなんだろうか? 《謎めいた命令》の枠を《ジェイス》に置き換えることで、より違ったスタイルの《ジェイス》主体のコントロールデッキを楽しむことができそうだ。《ジェイス》がデッキの頂点になれるというのは大きい。

 これはモダンで「奇跡」戦略をとる上で非常に良い。このフォーマットにおいて最近《アズカンタの探索》や《選択》という新戦力が追加されたことも意識すべきだ。試してみる価値はある。

【デッキリスト:青白奇跡】
creature 2
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
planeswalker 3
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
spell 30
2 《謎めいた命令/Cryptic Command》
2 《拘留の宝球/Detention Sphere》
2 《天使への願い/Entreat the Angels》
2 《論理の結び目/Logic Knot》
4 《選択/Opt》
4 《流刑への道/Path to Exile》
2 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
4 《血清の幻視/Serum Visions》
2 《時間の熟達/Temporal Mastery》
4 《終末/Terminus》
2 《熟慮/Think Twice》
land 25
4 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
4 《廃墟の地/Field of Ruin》
4 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
2 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
5 《島/Island》
1 《秘教の門/Mystic Gate》
3 《平地/Plains》

 今までの青白コントロールとはどう違うのか?と聞かれれば、これは間違いなくシナジー重視のデッキということだ。白緑呪禁オーラが先週末のグランプリを制したこのタイミングでは、《終末》が環境的にいい位置にいるのは明らかだ。当然このリストは案でしかなく、もう少し練り込みが必要だろうが、今までのコントロールデッキとは一線を画したパワーがあるデッキをつくれることは疑いようがない。


《血編み髪のエルフ》を使ったデッキ
 モダン環境にはたくさんの青いデッキがひしめいているし、今回の解禁によって《ジェイス》が加わればさらにその傾向は顕著になるだろう。一方で、赤緑軸のミッドレンジ戦略は極めて少ない。ジャンドはアブザンに後塵を拝していて、ジャンドは消滅の危機にある。《血編み髪のエルフ》の解禁はその傾向に待ったをかけるだろう。

 ジャンドは《血編み髪》の古くからの居場所だが、4マナ以上のカードを使わないのが現在の緑黒系デッキの基本的な戦略だ。たまに《高原の狩りの達人》やら《ゲトの裏切り者、カリタス》やらを見ることはあるが、2枚以上の4マナクリーチャーが入っているリストは普段見掛けない。《血編み髪》を4マナ域として扱うかどうかは甚だ疑問だが。

 ジャンド華やかなりし時、《血編み髪のエルフ》は簡単に4マナに到達できた――《死儀礼のシャーマン》の存在だ――が、死儀礼は死んだ、もういない。現在のジャンドである《死の影》デッキは土地が少なすぎて《血編み髪》はプレイできないだろう。《貴族の教主》とのハイブリッドは検討に値するが、4色デッキを望んでいるわけではない。《血編み髪》の真価は、どれだけインパクトのある呪文を続唱で唱えられるかにかかっている。

 《血編み髪》の居場所がジャンドであるかどうかは定かではない。もちろん《ヴェールのリリアナ》がめくれればそりゃすごいに決まってるが、毎回上手くいくわけじゃないのが続唱だ。たとえば赤緑カラーで、《風景の変容》以降の有力デッキである赤緑土地破壊のようなデッキには、戦略的にもしっくりくる気がする。

【デッキリスト:RG Ramp】
creature 21
4 《東屋のエルフ/Arbor Elf》
2 《極楽鳥/Birds of Paradise》
2 《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
3 《業火のタイタン/Inferno Titan》
1 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
2 《ピア・ナラーとキラン・ナラー/Pia and Kiran Nalaar》
3 《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
1 《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
3 《不屈の追跡者/Tireless Tracker》
planeswalker 3
2 《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
1 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》
spell 15
4 《血染めの月/Blood Moon》
2 《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》
1 《原初の命令/Primal Command》
4 《石の雨/Stone Rain》
4 《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
land 21
9 《森/Forest》
1 《山/Mountain》
3 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

sideboard 15
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
3 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
2 《稲妻/Lightning Bolt》
1 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1 《粉砕の嵐/Shatterstorm》
2 《三なる宝球/Trinisphere》

 このデッキはマナ加速から3ターン目に《血編み髪のエルフ》を叩きつけるデッキで、こういう使い方ならインパクトが大きいだろう。マナクリーチャーを引き当てることも多いだろうが、このデッキはより多くのマナ加速を必要とする。《石の雨》や《血染めの月》を続唱できれば、好きな展開に持ち込めるだろう。

 このデッキは4マナクリーチャーを好きなものに交換できる枠があるので、4枚の《血編み髪のエルフ》を採用してみたらどうだろう。相手の《血編み髪》をボコるために《溶鉄の雨》を3マナ圏に採用するのもいい。土地破壊が飛んできて頭を抱えるプレイヤーの顔が浮かぶようだよ。

 現存するデッキにおいては、赤緑土地破壊が《血編み髪》の新たな居場所になると思う。《ジェイス》と《血編み髪》が共存するデッキも出てくるかもね。レガシーで《断片無き工作員》がスゥルタイ続唱ってデッキをつくったみたいにね。

【デッキリスト:Temur Moon】
creature 16
4 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
2 《不屈の追跡者/Tireless Tracker》
planeswalker 3
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
spell 19
4 《祖先の幻視/Ancestral Vision》
3 《血染めの月/Blood Moon》
2 《電解/Electrolyze》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
1 《焙り焼き/Roast》
3 《血清の幻視/Serum Visions》
2 《広がりゆく海/Spreading Seas》
land 22
2 《繁殖池/Breeding Pool》
3 《森/Forest》
3 《島/Island》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1 《山/Mountain》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

 これはティムールカラーのシンプルなミッドレンジデッキで、土地破壊パッケージとパワフルな4マナ域で構成されている。続唱を最大限に生かすため、メインデッキには《瞬唱の魔導士》を入れていない。青のミッドレンジデッキがカウンターを積めないのはいただけないが、それを埋めてあまりあるパワーがこのデッキにはある。《祖先の幻視》を《ジェイス》の0能力でライブラリーに積み込んで、続唱でプレイすることで大量のアドバンテージを得られる。《血染めの月》は依然一線級のカードで、これの続唱を目論んで《血編み髪のエルフ》をプレイするだろう。

 ここまで読んでくれてありがとう!!

Seth Manfield

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