土地 24
4《植物の聖域/Botanical Sanctum》
4《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
1《異臭の池/Fetid Pools》
2《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
1《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis》
1《イフニルの死界/Ifnir Deadlands》
3《霊気拠点/Aether Hub》
2《進化する未開地/Evolving Wilds》
3《沼/Swamp》
2《森/Forest》
1《島/Island》
クリーチャー 25
4《巻きつき蛇/Winding Constrictor》
4《光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner》
3《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》
3《歩行バリスタ/Walking Ballista》
3《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
3《貪る死肉あさり/Deathgorge Scavenger》
1《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》
2《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》
2《スカラベの神/The Scarab God》
その他 11
3《致命的な一押し/Fatal Push》
2《至高の意志/Supreme Will》
4《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt》
2《自然に仕える者、ニッサ/Nissa, Steward of Elements》
サイドボード 15
1《歩行バリスタ/Walking Ballista》
1《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
1《致命的な一押し/Fatal Push》
2《野望のカルトーシュ/Cartouche of Ambition》
2《帰化/Naturalize》
3《否認/Negate》
1《川の叱責/River’s Rebuke》
1《アルゲールの断血/Arguel’s Blood Fast》
1《造命師の動物記/Lifecrafter’s Bestiary》
1《死の権威、リリアナ/Liliana, Death’s Majesty》
1《秘宝探究者、ヴラスカ/Vraska, Relic Seeker》
実はSultai Constrictorの調整過程で、今までメタになかった2つのデッキが台頭してきました。
MOCS準優勝を飾ったU/B Midrangeと、各所で良い成績を残しているR/G Monstersです。
2つともメタに合致した良いデッキで、勝率が高いのもうなずけます。
U/B Midrangeは《才気ある霊基体》《ヴラスカの侮辱》を主軸とした中速デッキで、幅広いメタに合致したカードを《機知の勇者》《航路の作成》で引き増し(あるいは不要牌を捨て)、最終的に《スカラベの神》でマウントを取る、というデッキです。対応力が非常に高く、トップメタのMono-RedやGrixisを咎める構成になっています。
R/G Monstersは探検クリーチャーから《再燃するフェニックス》《栄光をもたらすもの》に繋げるミッドレンジ。この2枚が非常に強力なだけでなく、《ケンラ》2種による序盤のビートダウン、永遠によるアドバンテージと、速い攻めも遅い攻めもこなせるデッキで、除去の選択はトップメタ2種を意識した構成になっています。
調整過程で、特にU/B Midrangeは「非常にいいデッキだな」と思いました。U/Bに乗り換えよう、と何度か思ったこともあります。
それでも、最終的にはSultai Constrictorをチョイスしました。理由は下記です。
1.W/U ApproachやW/U Cyclingへの耐性
耐性というか、U/BとConstrictorのデッキ性質の違いにあります。U/Bは相手の攻め手をそぎ落とし、アドバンテージを取りながらゆっくり攻めるデッキなのに対し、Constrictorは序盤から打点の高い生物を並べて殴る、という違いがあります。
サイドボード後に速度を落とすことはできます(軽いクロックを抜いて重めのカードを入れる)が、サイドボード後に早くすることは難しいです。W/U系は早い攻めを苦手とするため、クロックパーミッション風の攻めができるConstrictorのほうが有利です。
2.サイドボード後の戦略の広さ
これも前項と似たような話になりますが、基本がビートダウン戦略のため、サイドボード後は相手が対アグロにシフトします。除去を入れて打ち消しを減らしたり、重いカードを抜いて軽いカードを増やしたり、などです。
Mono-Redより少し遅く(しかし致命的に効くカードがメインに入っている)、Grixisより早いという性質上、相手はアドバンテージ・カードよりもプレイタイミングを優先してカードを選んできます。
つまり「サイドイン・アウトをどうするか」の優位はConstrictor側にあり、戦略をずらすことが可能です。重いカードを全部抜いてクロック・パーミッション風の戦略にしたり、軽いカードやシナジーを減らして後半戦に優位がとれる構成にしたり、と戦略はさまざまです。
たとえば、Grixis相手には、相手が軽量除去を増やす→軽めのカードを減らした構成にシフトする、Mono-Red相手には、相手が重めの構成にシフトする→ブン回り重視の構成にする、などの戦略が取れます。
3.そもそもConstirctor自体がU/B Midrangeに有利
最後の理由は単純で、両者を戦わせたときにConstrictorのほうが有利だからです。U/Bの戦力は《光袖会の収集者》《機知の勇者》などを代表に低タフネスに偏っているため、《歩行バリスタ》が強く、序盤から中盤の優位は築けます。
序盤に優位を築けるということは、こちらは《スカラベの神》に《ヴラスカの侮辱》を温存でき、逆に相手は《スカラベの神》以外に《ヴラスカの侮辱》を打たなければならない、ということです。
何戦かプレイしましたが、軽量除去(というか《削剥》)がなく、相手のメインボードに無駄カードも多い(《豪華の王、ゴンティ》や《帆凧の掠め取り》など)ので、全般的に戦いやすい印象です。
ちなみに、実際にR/G Monstersと戦っていないのですが、こちらはやや厳しそうな印象です。サイド後も《ヴラスカの侮辱》で捕らえなければいけない対象が多く、相手の除去もこちらに良く効くためです。《新緑の機械巨人》頼みのゲームになりそうです。サイドボードから《大災厄》《ケフネト最後の言葉》あたりを入れないと厳しいかもしれません。
カード個別の話
1.3マナ域について
・不採用:《翡翠光のレインジャー》《機知の勇者》
基本的に3マナ域は《ピーマの改革派、リシュカー》がベストムーヴですが、これは2マナ域クリーチャーが生き残った場合の話です。2マナ域クリーチャーを除去された後の《リシュカー》は弱く、別方向でプレッシャーを与えるカードをプレイしなければなりません。Constrictorはアグロデッキなのです。2マナ域除去後に、《翡翠光のレインジャー》でアドを稼いでいる場合ではなく(4/3になったところで2マナ除去圏内)、《機知の勇者》で手札を整えている場合でもありません。
・不採用:《霊気圏の収集艇》
最初は採用していて、感触もよいカードでした。EtBでエネルギーを得られるため、このカードを対処させた後に現れる《光袖会の収集者》は結構なプレッシャーになります。
単純に、環境に《削剥》が多すぎたため不採用になりました。これで攻撃する=他のクリーチャーが殴れないということです。何度も言いますがConstrictorはアグロデッキです。クリーチャーを乗せる→攻撃→「じゃあ《削剥》」という動きが弱すぎて泣きそうになりました。
・採用:《貪る死肉あさり》
上記を切っておきながらなぜこんな《マグマのしぶき》一発で死ぬクリーチャーを採用したのか。
単純にMono-RedとGrixisに強いからです。Mono-Redに対してはライフゲインが、Grixisに対しては《スカラベの神》の起動型能力や墓地から帰ってくる能力をほぼ封じることができるため、いずれの相手もこのクリーチャーは対処必須となります。ついでにGPGをメインからメタれる上、《再燃するフェニックス》《奔流の機械巨人》を使うデッキ全般に強い、と考えると、ほぼすべてのデッキに効果的と言えます。1枚は引きたいので3枚採用です。
・採用:《自然に仕える者、ニッサ》
Mono-Red以外のデッキで3Tのこのカードに対処できる手段を入れているデッキはごく少数です。先手後手に関わらず3Tに置くことでプレッシャーを与えられます。《ヴラスカの侮辱》を強制できる点は強く、生き残れば最低でも《不屈の自然》以上の行動ができるため、相手からすれば非常に厄介です。Mono-Redに対して弱すぎる点が気がかりです(X=2以上で出すことを強要されるため)が、メインの2枚であれば許容できる(気がする)ので2枚のみの採用としました。
2.2マナ域について
・不採用:《道路の召使い》
後半引いてトップしたときに死ぬほど弱い、4マナ域に強いカードがない、マナは伸ばしたいがマナ加速する必要は感じない、という点から不採用です。EtBのエネルギーは《収集者》にとっては魅力的ですが。
・採用:《マーフォークの枝渡り》
《翡翠光のレインジャー》との比較ですが、マリガン時にキープ基準になる2マナ域は心強く、打点も2マナクリーチャーとして最低限の水準をキープしているため採用しました。別にカウンターシナジーは期待していません。他の2マナ域も強く、固め引きしても仕方ないので3枚です。
・不採用(サイドボード):《屑鉄場のたかり屋》
このデッキ相手にはサイド後も《マグマのしぶき》を抜いてくれないだろうという推測と、サイドボードの枠を大幅に割いてしまう(入れる場合は最低3枚投入が必須だと思います)ため、泣く泣く不採用としました。メインは既に2マナ域が渋滞しているのと、Mono-Redに弱すぎるカードなので却下です。
3.その他の枚数など
・《致命的な一押し》3枚
そこそこ腐るマッチアップがあるのと、低マナ域は《歩行バリスタ》での対処も可能なため3枚に抑えました。サイドボードには4枚目を取っていますが、正直あんまりいれるマッチアップがないのが悲しいところ。同系ぐらいです。
・《貪欲なチュパカブラ》の枠
《ヴラスカの侮辱》4枚は確定でいいと思うので、その5枚目として採用しています。そもそも4マナ域はロクなカードがありません。ちなみに《人質取り》はテンポはいいのですが、追放したい相手がいるデッキに限って割と簡単に死ぬので却下しました。
除去は《貪る死肉あさり》のおかげで何枚あっても嬉しいので、2枚目の採用も検討しています。
・サイドボード
まだまだ調整中ですが、概ね狙った通りの働きです。
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