https://www.channelfireball.com/articles/the-new-legacy-metagame-where-do-we-go-now/
上記記事の拙訳です。ご参考までに。
レガシーの新しいメタゲーム:僕らはどこに行くんだろう
By Bob Huang // 3 Jul, 2018
ワーォ! WotC、突然の告知がこれかよ!(歓喜) 25周年記念プロツアーとGPリッチモンドの直前に、なんと《死儀礼のシャーマン》と《ギタクシア派の調査》の両方が、レガシーの禁止リストに追加されました。
私はこの禁止を歓迎しています。決して「禁止に関する記事を自分で書いていたから」というわけではなくて……。レガシーのメタゲーム上のデッキの60%に、この2枚のうちいずれかが投入されていて、残りの(この2枚を使えない)4割のデッキはほぼ死に体か、そうでなくても弱いデッキになり下がっていました。レガシー環境は固定され、プレイパターンが単調になっていたので、正直レガシーが楽しくなかったんです。
しかし、古い環境はもう終わり、新しい環境がやってきますヤッター! 頭の中でGun’s’N’Rosesの「Sweet Child O’ Mine」がかかって鳴りやまねぇ! ……そんな興奮と同時に、「これからレガシーはどうなるんだろう?」ということに思いを巡らせました。レガシーのメタゲームは、考えれば考えるほど頭がおかしくなるほど、様々な方向性があります。今回の禁止改訂が直接影響を受けたデッキを見ながら、今後の方向性を見つめていきましょう。
【レベル1:ごめん、お前のデッキ死んだわ】
グリデル、チェコパイル(※4C Leovold)、逝ったー!
これら2つのデッキは間違いなくレガシーのベストデッキです。どっちも逝きました。グリクシスデルバーやグリクシスコントロールはまだ形を変えて生き残ると思いますが、Tier2程度に留まるでしょう。グリクシスという色が墓地活用デッキや《暗黒の深部》に弱く、《死儀礼のシャーマン》が使えないことでこういった弱点が顕著になります。《若き紅蓮術士》トークン戦略も《ギタクシア派の調査》抜きでは考えられません。
スゥルタイカラーのデッキも間違いなく弱体化しました。この色の組み合わせは《死儀礼のシャーマン》に強く依存していたからで、このカードの禁止はデッキの根幹を揺るがす問題です。とはいえ《レオヴォルド》は依然として強力なカードなので、スゥルタイカラーのデッキは引き続き成立しうると思いますが、このカテゴリには《食物連鎖》や《魔の魅惑》デッキと同じカテゴリになります。《極楽鳥》とかいうお粗末な代替品がおりましてですね……
さて、次に挙げるようなデッキは禁止の影響を受けましたが、それほど悪くもなっていないと思います。ANTやマーべリック、エルフは以前よりも状況は良くなるでしょう。ANTは弱体化を免れませんが、グリクシス系の減少に伴い《陰謀団式療法》も減るため、メタゲームの位置付けは良くなるはずです。マーべリックやエルフは《死儀礼のシャーマン》を使っていたデッキですが、《貴族の教主》をはじめ他のマナクリーチャーで置き換えることでデッキの機能は満たされます。
【レベル2:おお、圧制者よ、汝から我が同胞を開放せん】
この禁止改訂の恩恵を受ける主なデッキはデスタク、U/W石鍛冶、RUGデルバー(カナスレ)、リアニメイト、Tin-Fins、そして発掘です。《コラガンの命令》がGrixis系に多く採用されていたため、《石鍛冶の神秘家》は長らくお供無しの2マナ1/2扱いでした。これからは《石鍛冶の神秘家》こそが最強の2マナ域の脅威としての地位を取り戻すでしょう。RUGデルバー(カナスレ)も《死儀礼》除去のために7枚の除去採用を余儀なくされていましたが、そのスロットは、コンボやコントロールに対応するために割けるようになるでしょう。
しかし、(《死儀礼》のおかげで)我々が見て見ぬふりをしてきた「墓地戦略」が台頭するでしょう。ドレッジはまた健全なほうで、リアニメイトのことを考えると非常に恐ろしくなります。《納墓》は教示者系最強のスペックを持ちながら《死儀礼》の存在で抑圧されていました。もはや枷は外れてしまいました。
これからはメインボードに《剣を鋤に》のような万能除去を採用した上で、サイドボードから墓地対策を取る必要があります。《外科的摘出》《封じ込める僧侶》《墓掘りの檻》といった強い対策カードで、リアニメイト戦略自体を咎めることはできます。しかし圧倒的なメインボード勝率を誇るデッキは、サイドボードから対策をしたところで、それを乗り越える様々な戦略があります。「壊れたコンボカード」として《納墓》が「レガシーにおいても早すぎる」ということが明らかになるまで、そう時間はかからないでしょう。
さて、デッキの良し悪しの議論はこれっきりにするとしましょう。レガシーは広く開かれました。《時を越えた探索》禁止後、青白奇跡はトップに君臨していました。そして、《独楽》の禁止によりグリクシスデルバーがその王座を奪取しました。これから、誰が支配者となるのでしょうか?
いわゆる「レベル0」のデッキがない状態で、バランスの取れたメタゲームが形成されることを期待していますが、現時点で私がトップ候補であると思うものを見ていきましょう。
悲しいかな、私がTier1と呼ぶに相応しいと思うデッキは2つしかありません。上記でも既にリアニメイトが良い位置にいると言いましたが、私は奇跡がいい位置にいると確信しています。奇跡は《瞬唱の魔導士》《剣を鋤に》《紅蓮破》といった、フェアデッキ、アンフェアデッキ双方に対応できる、コントロールやミッドレンジ系統の頂点だと思っています。
とはいえ、この禁止改訂後のメタゲームがどこに向かうか、まだはっきりしていません。レガシー界が――まるで何かが禁止解除されたように――隅々まで探検できるように世界が広がったと感じていますから、興奮を抑えきれません。
我々は、これから長い時間をかけて、再び成熟していく、そのスタート地点にいるのです。
上記記事の拙訳です。ご参考までに。
レガシーの新しいメタゲーム:僕らはどこに行くんだろう
By Bob Huang // 3 Jul, 2018
ワーォ! WotC、突然の告知がこれかよ!(歓喜) 25周年記念プロツアーとGPリッチモンドの直前に、なんと《死儀礼のシャーマン》と《ギタクシア派の調査》の両方が、レガシーの禁止リストに追加されました。
私はこの禁止を歓迎しています。決して「禁止に関する記事を自分で書いていたから」というわけではなくて……。レガシーのメタゲーム上のデッキの60%に、この2枚のうちいずれかが投入されていて、残りの(この2枚を使えない)4割のデッキはほぼ死に体か、そうでなくても弱いデッキになり下がっていました。レガシー環境は固定され、プレイパターンが単調になっていたので、正直レガシーが楽しくなかったんです。
しかし、古い環境はもう終わり、新しい環境がやってきますヤッター! 頭の中でGun’s’N’Rosesの「Sweet Child O’ Mine」がかかって鳴りやまねぇ! ……そんな興奮と同時に、「これからレガシーはどうなるんだろう?」ということに思いを巡らせました。レガシーのメタゲームは、考えれば考えるほど頭がおかしくなるほど、様々な方向性があります。今回の禁止改訂が直接影響を受けたデッキを見ながら、今後の方向性を見つめていきましょう。
【レベル1:ごめん、お前のデッキ死んだわ】
グリデル、チェコパイル(※4C Leovold)、逝ったー!
これら2つのデッキは間違いなくレガシーのベストデッキです。どっちも逝きました。グリクシスデルバーやグリクシスコントロールはまだ形を変えて生き残ると思いますが、Tier2程度に留まるでしょう。グリクシスという色が墓地活用デッキや《暗黒の深部》に弱く、《死儀礼のシャーマン》が使えないことでこういった弱点が顕著になります。《若き紅蓮術士》トークン戦略も《ギタクシア派の調査》抜きでは考えられません。
スゥルタイカラーのデッキも間違いなく弱体化しました。この色の組み合わせは《死儀礼のシャーマン》に強く依存していたからで、このカードの禁止はデッキの根幹を揺るがす問題です。とはいえ《レオヴォルド》は依然として強力なカードなので、スゥルタイカラーのデッキは引き続き成立しうると思いますが、このカテゴリには《食物連鎖》や《魔の魅惑》デッキと同じカテゴリになります。《極楽鳥》とかいうお粗末な代替品がおりましてですね……
さて、次に挙げるようなデッキは禁止の影響を受けましたが、それほど悪くもなっていないと思います。ANTやマーべリック、エルフは以前よりも状況は良くなるでしょう。ANTは弱体化を免れませんが、グリクシス系の減少に伴い《陰謀団式療法》も減るため、メタゲームの位置付けは良くなるはずです。マーべリックやエルフは《死儀礼のシャーマン》を使っていたデッキですが、《貴族の教主》をはじめ他のマナクリーチャーで置き換えることでデッキの機能は満たされます。
【レベル2:おお、圧制者よ、汝から我が同胞を開放せん】
この禁止改訂の恩恵を受ける主なデッキはデスタク、U/W石鍛冶、RUGデルバー(カナスレ)、リアニメイト、Tin-Fins、そして発掘です。《コラガンの命令》がGrixis系に多く採用されていたため、《石鍛冶の神秘家》は長らくお供無しの2マナ1/2扱いでした。これからは《石鍛冶の神秘家》こそが最強の2マナ域の脅威としての地位を取り戻すでしょう。RUGデルバー(カナスレ)も《死儀礼》除去のために7枚の除去採用を余儀なくされていましたが、そのスロットは、コンボやコントロールに対応するために割けるようになるでしょう。
しかし、(《死儀礼》のおかげで)我々が見て見ぬふりをしてきた「墓地戦略」が台頭するでしょう。ドレッジはまた健全なほうで、リアニメイトのことを考えると非常に恐ろしくなります。《納墓》は教示者系最強のスペックを持ちながら《死儀礼》の存在で抑圧されていました。もはや枷は外れてしまいました。
これからはメインボードに《剣を鋤に》のような万能除去を採用した上で、サイドボードから墓地対策を取る必要があります。《外科的摘出》《封じ込める僧侶》《墓掘りの檻》といった強い対策カードで、リアニメイト戦略自体を咎めることはできます。しかし圧倒的なメインボード勝率を誇るデッキは、サイドボードから対策をしたところで、それを乗り越える様々な戦略があります。「壊れたコンボカード」として《納墓》が「レガシーにおいても早すぎる」ということが明らかになるまで、そう時間はかからないでしょう。
さて、デッキの良し悪しの議論はこれっきりにするとしましょう。レガシーは広く開かれました。《時を越えた探索》禁止後、青白奇跡はトップに君臨していました。そして、《独楽》の禁止によりグリクシスデルバーがその王座を奪取しました。これから、誰が支配者となるのでしょうか?
いわゆる「レベル0」のデッキがない状態で、バランスの取れたメタゲームが形成されることを期待していますが、現時点で私がトップ候補であると思うものを見ていきましょう。
【Tier1】
青白奇跡、リアニメイト
【Tier2】
赤単プリズン、カナスレ、バント、エルフ、土地単、ANT、デスタク
【Tier3】
グリクシス系、BUG系、マーフォーク、ターボデプス、マーべリック、4Cローム、発掘、スニークショー、青白tX石鍛冶、青赤デルバー
悲しいかな、私がTier1と呼ぶに相応しいと思うデッキは2つしかありません。上記でも既にリアニメイトが良い位置にいると言いましたが、私は奇跡がいい位置にいると確信しています。奇跡は《瞬唱の魔導士》《剣を鋤に》《紅蓮破》といった、フェアデッキ、アンフェアデッキ双方に対応できる、コントロールやミッドレンジ系統の頂点だと思っています。
とはいえ、この禁止改訂後のメタゲームがどこに向かうか、まだはっきりしていません。レガシー界が――まるで何かが禁止解除されたように――隅々まで探検できるように世界が広がったと感じていますから、興奮を抑えきれません。
我々は、これから長い時間をかけて、再び成熟していく、そのスタート地点にいるのです。
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