http://magic.tcgplayer.com/db/article.asp?ID=14776&writer=Seth+Manfield&articledate=7-27-2018
拙訳シリーズです。TCGPlayerより、あのSeth Manfieldのモダンに関する記事です。セスマンはチームでモダンを担当することから、今回の記事執筆に至ったようです。トッププロの視点から見るメタゲームについて語られていますので、ぜひご参考までにご一読を。
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The Four Modern Decks I Expect At the Pro Tour
Feature Article from Seth Manfield
Seth Manfield
7/27/2018 11:00:00 AM
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読者の皆さんはご存じだと思いますが、今度のプロツアー、過去最大級の賞金がかかっています。フォーマットは、なんとチーム構築戦で、プロプレイヤーからすると「なんてこった!」って感じです(笑)。チーム戦のプロツアーは何回も経験がありますが、私はモダンで出場して、チームに全力で貢献する予定です。
モダンは準備段階から非常に面白い、というのが正直な印象です。スタンダードやレガシーほどはメタゲームの急激な変化がなく、多くのデッキが存在するので、メタゲームは絶えず少しずつ動きます。また《クラーク族の鉄工所》デッキのように新しいデッキが台頭してきますが、少し時間がかかります。
プロツアーのようなトーナメントの準備における最適解は、メタゲームを予測することです。他のプレイヤーがトーナメントに臨むにあたってどのデッキを使うのか、それを予測します。この記事では、なぜトップメタのデッキが結果を残しているのか、その理由について話していきたいと思います。
【トロン】
トロンは非常に長い間、様々なバリエーションが存在したデッキですが、去年までは非常に人気が高かったデッキだと思います。《減衰球》が刷られてから、このカードにトロンが採用できるかどうかが不可解でした。今ではそこまで多く《減衰球》はプレイされず、確実性の高い《自然の要求》がプレイされています。一方で、トロンが明確に不利なマッチアップに《減衰球》は効果的で、他のデッキが採用しているため、メタゲーム上から不利なデッキが衰退した結果、トロンは復権しました。
ほとんどのトロンデッキは緑単です。《血染めの月》《廃墟の地》に耐性を持たせるため、多めの基本土地を採用することで安定性を高めます。2色目を加えて大きな効果があるわけではありません。黒の手札破壊タッチ、赤の《コジレックの帰還》といった全体除去タッチ、といった戦略は特定の狭いデッキしか意味がありません。ウィニーが少ない環境柄、《コジレックの帰還》の価値は低い状態です。《致命的な一押し》も、既にデッキに入っている《四肢切断》のダウングレード版でしかありません。
《解放させるもの、カーン》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》といったパワーの高いカードで構成されており、コントロールとのマッチアップはひときわ良いです。コントロール側も《廃墟の地》など少々の土地破壊戦略を取りますが、初期のコントロールのように《広がりゆく海》を採用しているものは稀です。
トロン相手にマナベースに触れず、かつ長いゲームを行っても、勝つのは極めて難しいでしょう。多くのデッキリストには現在2枚の《ウラモグ》が入っています。1枚目は何とか対処できても、2枚目が出てくるとゲームが即終了です。《ウギンの聖域》はピンチの際、脅威を探し出す手段です。《難題の予見者》はサイドボードに潜んでおり、黒をタッチすることなく相手の手札に干渉できます。現在のトロンでは主流のサイドボードですね。
【青白コントロール】
ジェスカイコントロールか青白コントロールか、どちらが未来の正しい姿でしょうか? ここしばらくはジェスカイがポピュラーな選択肢ですが、直近では純正の青白バージョンに戻りつつあります。それぞれ同様のコントロールですが、それぞれに強みと弱みがあります。5色人間に対して《稲妻》と《稲妻のらせん》という除去を加えて有利に立ちまわれるので、私はジェスカイのほうが好みです。
一方青白コントロールは、、マッチアップを大幅に改善できる《終末》という全体除去を生かす構築がなされています。例えば、《終末》なしのリストでは、族霊鎧がエンチャントされた《ぬめるボーグル》を除去できません。次のリストは前回のモダン・プロツアーで優勝したルイス・サルヴァットが現在プレイしている青白コントロールです。
このデッキは「青白奇跡」とも呼べるもので、《選択》や《精神を刻む者、ジェイス》によって《終末》《天使への願い》を活用します。《選択》は奇跡を誘発させるために相手ターンにカードを引く点で《血清の幻視》より優れています。《ジェイス》をプレイして《渦巻く知識》能力を1~2回使用することができたら、《ジェイス》の2枚目を引き込んでゲームに勝つことができます。
これまでのコントロールデッキは《ジェイス》か《ドミナリアの英雄、テフェリー》のいずれか一方をプレイしていましたが、同じデッキにどちらも採用することは簡単です! いずれかのPWが着地したら、対戦相手はPWを除去するか、あるいは速やかにゲームに勝つか、という苦しい二択を迫られます。また基本地形の多さから《血染めの月》にも耐性があり、土地破壊で崩れることもありません。
【KCI(《クラーク族の鉄工所》コンボ)】
私はこのマッチアップが不慣れで、特に注意すべきデッキだと思っています。MTG Goldfish上のコンボデッキは大体4ターン目に勝利できるデッキという点で、どれも驚きを隠せませんが……。KCIはグランプリでも良い結果を残していますし、同じプレイヤーがプロツアーでこのデッキをプレイするでしょう。現状ではマット・ナス以上の乗り手はいません。
《屑鉄かじり》と《クラーク族の鉄工所》の組み合わせはかなり厄介です。デッキを掘り下げることでループが始まり、すぐにゲームに勝利することができます。このデッキは様々なループの組み合わせやシナジーをすべてマスターしないと乗りこなすのが難しい、非常に複雑なデッキになっています。多くのプレイヤーにとっては、このデッキに乗る選択をしない場合、このデッキがどうやって勝つのかを知っておくことが必要です。
言い換えれば、何が機能して何が機能しないかを知る、ということです。墓地に頼っていて、大量のアーティファクトを必要とするデッキです。《石のような静寂》や《安らかなる眠り》を使用できる白の対策カードがうってつけでしょう。この手のエンチャントを破壊しない限り、ループに入ることはできません。
逆の立場から考えると、KCI自体がどうやって対策カードに対処するかを知ることは必要です。例えば、《大祖始の遺産》とマナを残した対戦相手に対してコンボを仕掛けることはできるでしょうか? 答えはYesです。ループを脅かす必要がありますが、一度起動させた後に戦場に十分な数のアーティファクトを残しておけば、コンボを再開できます。もちろん、通常より多いリソースが必要となりますが。
また、コンボデッキは、相互不干渉のため、KCIより早くないと苦労するでしょう。例えば、勝つ方法の一つとして、青赤ストームのようなキルターンの早いデッキならKCIの動きの大半を無視できます。単体除去はこのデッキに対する最悪な回答で、《屑鉄かじり》を除去しようとしても大体上手くいかないでしょう。
私の予測では、KCIに乗った経験のあるプレイヤーはそのまま使用を続けますが、初めてプロツアーに持ちこむプレイヤーはほとんどいないでしょう。ある程度メジャーになっているため普及はしていますが、MO上では結果を出しておらず、というのもそもそもMO上ではコンボを続けるのが非常にめんどうなので、(調整が難しいことから)使用者は少ないと見込んでいます。
【5色人間】
人間デッキに何が起こったかを正確に伝えようと思います。数ヶ月前の時点では、モダンでは最高のデッキでした。何が変わったのでしょうか? そうですね、各デッキがトップメタを叩く最善の方法を学んでいるわけです。ジェスカイ・コントロール、また一般的な除去コンは5色人間に対してい位置にいますが、そのようなメタゲームにおいてでも、5色人間はモダンの最良の選択のひとつです。
このデッキは柔軟性に富み、除去が間に合わないほどクロックが早い一方で、ヘイトベアーによって相手の勝ち手段を遅らせることもできます。例えば、KCIとのマッチアップでは《翻弄する魔道士》で《クラーク族の鉄工所》を指定することで、相手がコンボ開始前に《翻弄する魔道士》に対処することを迫ります。
5色人間はコンボデッキに対して脅威となります。ヘイトベアーの多くは2マナで、コンボデッキが勝負を決める前に戦場に送りだされます。5色人間はプロツアーではかなりいい位置にあり、特に他のプレイヤーがジェスカイ・コントロールを多くプレイしていない限りは有効でしょう。親和のような、このデッキにとって悪いマッチアップとなるデッキはあまり人気がありません。KCIの人気のために、どのデッキにも《石のような静寂》が積まれているからです。プロツアーは、5色人間が再び輝く時かもしれません。
■まとめ
初期段階のプロツアーに関する考察では、この4デッキが頭一つ抜け出している印象です。トーナメントでもこの4つが多く選ばれるでしょう。また、デッキのどこがいいのか、弱点があるのかを知ることで、自身のデッキを洗練させることもできます。この記事の執筆時点ではどのデッキを使うか決めていませんが、この宿題に取り組めば、デッキ選択、サイドボードの取捨選択も自ずと簡単になるでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
Seth Manfield
拙訳シリーズです。TCGPlayerより、あのSeth Manfieldのモダンに関する記事です。セスマンはチームでモダンを担当することから、今回の記事執筆に至ったようです。トッププロの視点から見るメタゲームについて語られていますので、ぜひご参考までにご一読を。
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The Four Modern Decks I Expect At the Pro Tour
Feature Article from Seth Manfield
Seth Manfield
7/27/2018 11:00:00 AM
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読者の皆さんはご存じだと思いますが、今度のプロツアー、過去最大級の賞金がかかっています。フォーマットは、なんとチーム構築戦で、プロプレイヤーからすると「なんてこった!」って感じです(笑)。チーム戦のプロツアーは何回も経験がありますが、私はモダンで出場して、チームに全力で貢献する予定です。
モダンは準備段階から非常に面白い、というのが正直な印象です。スタンダードやレガシーほどはメタゲームの急激な変化がなく、多くのデッキが存在するので、メタゲームは絶えず少しずつ動きます。また《クラーク族の鉄工所》デッキのように新しいデッキが台頭してきますが、少し時間がかかります。
プロツアーのようなトーナメントの準備における最適解は、メタゲームを予測することです。他のプレイヤーがトーナメントに臨むにあたってどのデッキを使うのか、それを予測します。この記事では、なぜトップメタのデッキが結果を残しているのか、その理由について話していきたいと思います。
【トロン】
トロンは非常に長い間、様々なバリエーションが存在したデッキですが、去年までは非常に人気が高かったデッキだと思います。《減衰球》が刷られてから、このカードにトロンが採用できるかどうかが不可解でした。今ではそこまで多く《減衰球》はプレイされず、確実性の高い《自然の要求》がプレイされています。一方で、トロンが明確に不利なマッチアップに《減衰球》は効果的で、他のデッキが採用しているため、メタゲーム上から不利なデッキが衰退した結果、トロンは復権しました。
Mono-Green Tron
A deck by Kellen Pastore
Finished 1st at SCG Team Open Modern - Philadelphia - 07/22/2018
maindeck 60
creature 7
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
2 《歩行バリスタ/Walking Ballista》
3 《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
planeswalker 6
4 《解放された者、カーン/Karn Liberated》
2 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
spell 28
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
4 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
2 《四肢切断/Dismember》
4 《探検の地図/Expedition Map》
4 《忘却石/Oblivion Stone》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
4 《森の占術/Sylvan Scrying》
land 19
5 《森/Forest》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
1 《ウギンの聖域/Sanctum of Ugin》
4 《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4 《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4 《ウルザの塔/Urza’s Tower》
sideboard 15
1 《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1 《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》
1 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
3 《自然の要求/Nature’s Claim》
2 《外科的摘出/Surgical Extraction》
3 《難題の予見者/Thought-Knot Seer》
2 《スラーグ牙/Thragtusk》
ほとんどのトロンデッキは緑単です。《血染めの月》《廃墟の地》に耐性を持たせるため、多めの基本土地を採用することで安定性を高めます。2色目を加えて大きな効果があるわけではありません。黒の手札破壊タッチ、赤の《コジレックの帰還》といった全体除去タッチ、といった戦略は特定の狭いデッキしか意味がありません。ウィニーが少ない環境柄、《コジレックの帰還》の価値は低い状態です。《致命的な一押し》も、既にデッキに入っている《四肢切断》のダウングレード版でしかありません。
《解放させるもの、カーン》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》といったパワーの高いカードで構成されており、コントロールとのマッチアップはひときわ良いです。コントロール側も《廃墟の地》など少々の土地破壊戦略を取りますが、初期のコントロールのように《広がりゆく海》を採用しているものは稀です。
トロン相手にマナベースに触れず、かつ長いゲームを行っても、勝つのは極めて難しいでしょう。多くのデッキリストには現在2枚の《ウラモグ》が入っています。1枚目は何とか対処できても、2枚目が出てくるとゲームが即終了です。《ウギンの聖域》はピンチの際、脅威を探し出す手段です。《難題の予見者》はサイドボードに潜んでおり、黒をタッチすることなく相手の手札に干渉できます。現在のトロンでは主流のサイドボードですね。
【青白コントロール】
ジェスカイコントロールか青白コントロールか、どちらが未来の正しい姿でしょうか? ここしばらくはジェスカイがポピュラーな選択肢ですが、直近では純正の青白バージョンに戻りつつあります。それぞれ同様のコントロールですが、それぞれに強みと弱みがあります。5色人間に対して《稲妻》と《稲妻のらせん》という除去を加えて有利に立ちまわれるので、私はジェスカイのほうが好みです。
一方青白コントロールは、、マッチアップを大幅に改善できる《終末》という全体除去を生かす構築がなされています。例えば、《終末》なしのリストでは、族霊鎧がエンチャントされた《ぬめるボーグル》を除去できません。次のリストは前回のモダン・プロツアーで優勝したルイス・サルヴァットが現在プレイしている青白コントロールです。
White-Blue Control
A deck by Luis Salvatto
maindeck 60
creature 2
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
planeswalker 5
3 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
spell 28
1 《祖先の幻視/Ancestral Vision》
3 《謎めいた命令/Cryptic Command》
2 《拘留の宝球/Detention Sphere》
1 《天使への願い/Entreat the Angels》
2 《論理の結び目/Logic Knot》
1 《マナ漏出/Mana Leak》
1 《否認/Negate》
4 《選択/Opt》
4 《流刑への道/Path to Exile》
2 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1 《呪文嵌め/Spell Snare》
1 《至高の評決/Supreme Verdict》
4 《終末/Terminus》
1 《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
land 25
4 《天界の列柱/Celestial Colonnade》
4 《廃墟の地/Field of Ruin》
4 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
2 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
2 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
6 《島/Island》
2 《平地/Plains》
sideboard 15
1 《天界の粛清/Celestial Purge》
1 《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2 《払拭/Dispel》
1 《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
1 《否認/Negate》
2 《安らかなる眠り/Rest in Peace》
1 《ルーンの光輪/Runed Halo》
2 《石のような静寂/Stony Silence》
1 《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
2 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
このデッキは「青白奇跡」とも呼べるもので、《選択》や《精神を刻む者、ジェイス》によって《終末》《天使への願い》を活用します。《選択》は奇跡を誘発させるために相手ターンにカードを引く点で《血清の幻視》より優れています。《ジェイス》をプレイして《渦巻く知識》能力を1~2回使用することができたら、《ジェイス》の2枚目を引き込んでゲームに勝つことができます。
これまでのコントロールデッキは《ジェイス》か《ドミナリアの英雄、テフェリー》のいずれか一方をプレイしていましたが、同じデッキにどちらも採用することは簡単です! いずれかのPWが着地したら、対戦相手はPWを除去するか、あるいは速やかにゲームに勝つか、という苦しい二択を迫られます。また基本地形の多さから《血染めの月》にも耐性があり、土地破壊で崩れることもありません。
【KCI(《クラーク族の鉄工所》コンボ)】
私はこのマッチアップが不慣れで、特に注意すべきデッキだと思っています。MTG Goldfish上のコンボデッキは大体4ターン目に勝利できるデッキという点で、どれも驚きを隠せませんが……。KCIはグランプリでも良い結果を残していますし、同じプレイヤーがプロツアーでこのデッキをプレイするでしょう。現状ではマット・ナス以上の乗り手はいません。
ironworks combo
maindeck 60
creature 6
2 《マイアの回収者/Myr Retriever》
4 《屑鉄さらい/Scrap Trawler》
spell 36
4 《古きものの活性/Ancient Stirrings》
3 《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4 《彩色の星/Chromatic Star》
3 《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
4 《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4 《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
4 《精神石/Mind Stone》
4 《オパールのモックス/Mox Opal》
2 《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
4 《テラリオン/Terrarion》
land 18
2 《霊気拠点/Aether Hub》
3 《埋没した廃墟/Buried Ruin》
4 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
2 《森/Forest》
4 《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》
3 《発明博覧会/Inventors’ Fair》
sideboard 15
1 《防御の光網/Defense Grid》
2 《ギラプールの霊気格子/Ghirapur AEther Grid》
3 《耳障りな反応/Guttural Response》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《自然の要求/Nature’s Claim》
1 《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
《屑鉄かじり》と《クラーク族の鉄工所》の組み合わせはかなり厄介です。デッキを掘り下げることでループが始まり、すぐにゲームに勝利することができます。このデッキは様々なループの組み合わせやシナジーをすべてマスターしないと乗りこなすのが難しい、非常に複雑なデッキになっています。多くのプレイヤーにとっては、このデッキに乗る選択をしない場合、このデッキがどうやって勝つのかを知っておくことが必要です。
言い換えれば、何が機能して何が機能しないかを知る、ということです。墓地に頼っていて、大量のアーティファクトを必要とするデッキです。《石のような静寂》や《安らかなる眠り》を使用できる白の対策カードがうってつけでしょう。この手のエンチャントを破壊しない限り、ループに入ることはできません。
逆の立場から考えると、KCI自体がどうやって対策カードに対処するかを知ることは必要です。例えば、《大祖始の遺産》とマナを残した対戦相手に対してコンボを仕掛けることはできるでしょうか? 答えはYesです。ループを脅かす必要がありますが、一度起動させた後に戦場に十分な数のアーティファクトを残しておけば、コンボを再開できます。もちろん、通常より多いリソースが必要となりますが。
また、コンボデッキは、相互不干渉のため、KCIより早くないと苦労するでしょう。例えば、勝つ方法の一つとして、青赤ストームのようなキルターンの早いデッキならKCIの動きの大半を無視できます。単体除去はこのデッキに対する最悪な回答で、《屑鉄かじり》を除去しようとしても大体上手くいかないでしょう。
私の予測では、KCIに乗った経験のあるプレイヤーはそのまま使用を続けますが、初めてプロツアーに持ちこむプレイヤーはほとんどいないでしょう。ある程度メジャーになっているため普及はしていますが、MO上では結果を出しておらず、というのもそもそもMO上ではコンボを続けるのが非常にめんどうなので、(調整が難しいことから)使用者は少ないと見込んでいます。
【5色人間】
人間デッキに何が起こったかを正確に伝えようと思います。数ヶ月前の時点では、モダンでは最高のデッキでした。何が変わったのでしょうか? そうですね、各デッキがトップメタを叩く最善の方法を学んでいるわけです。ジェスカイ・コントロール、また一般的な除去コンは5色人間に対してい位置にいますが、そのようなメタゲームにおいてでも、5色人間はモダンの最良の選択のひとつです。
Humans
A deck by Mzfroste
Finished 9th-16th at MTGO Modern Challenge 07/08/18
maindeck 60
creature 37
4 《教区の勇者/Champion of the Parish》
1 《ケッシグの不満分子/Kessig Malcontents》
4 《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter》
4 《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
4 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
4 《貴族の教主/Noble Hierarch》
4 《幻影の像/Phantasmal Image》
4 《反射魔道士/Reflector Mage》
1 《修復の天使/Restoration Angel》
3 《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
4 《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》
spell 4
4 《霊気の薬瓶/AEther Vial》
land 19
4 《古代の聖塔/Ancient Ziggurat》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4 《地平線の梢/Horizon Canopy》
1 《平地/Plains》
2 《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
4 《手付かずの領土/Unclaimed Territory》
sideboard 15
2 《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》
1 《凶兆艦隊の向こう見ず/Dire Fleet Daredevil》
1 《四肢切断/Dismember》
1 《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
2 《はらわた撃ち/Gut Shot》
2 《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》
2 《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》
2 《再利用の賢者/Reclamation Sage》
2 《罪の収集者/Sin Collector》
このデッキは柔軟性に富み、除去が間に合わないほどクロックが早い一方で、ヘイトベアーによって相手の勝ち手段を遅らせることもできます。例えば、KCIとのマッチアップでは《翻弄する魔道士》で《クラーク族の鉄工所》を指定することで、相手がコンボ開始前に《翻弄する魔道士》に対処することを迫ります。
5色人間はコンボデッキに対して脅威となります。ヘイトベアーの多くは2マナで、コンボデッキが勝負を決める前に戦場に送りだされます。5色人間はプロツアーではかなりいい位置にあり、特に他のプレイヤーがジェスカイ・コントロールを多くプレイしていない限りは有効でしょう。親和のような、このデッキにとって悪いマッチアップとなるデッキはあまり人気がありません。KCIの人気のために、どのデッキにも《石のような静寂》が積まれているからです。プロツアーは、5色人間が再び輝く時かもしれません。
■まとめ
初期段階のプロツアーに関する考察では、この4デッキが頭一つ抜け出している印象です。トーナメントでもこの4つが多く選ばれるでしょう。また、デッキのどこがいいのか、弱点があるのかを知ることで、自身のデッキを洗練させることもできます。この記事の執筆時点ではどのデッキを使うか決めていませんが、この宿題に取り組めば、デッキ選択、サイドボードの取捨選択も自ずと簡単になるでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
Seth Manfield
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