https://www.channelfireball.com/articles/how-to-enjoy-the-grind/
 上記記事の拙訳です。MtGの心構えに関する記事です。いつにもまして適当な訳ですが、ニュアンスだけでも伝わればいいな、と思って書きました。
 日本人プロやスポンサードという形態が増えて、競技志向のプレイヤーが日本でも増えているように感じます。皆さんの中でもトーナメント志向の方、PT出場を目指す方やGPで好成績を目指す方が多いと思います。そんな方にこそ、読んでいただきたい記事です。

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How to Enjoy the Grind
By Will Jonathan // 29 Jul, 2018

 おおよそすべてのことが「鍛練」とでも呼べるのだと思います。

 プロツアーの予選を抜けるというのは簡単ではなく、到底「楽しめる」行程ではないでしょう。かかる時間、費やす労力、資源などは途方もないです。また運否天賦に左右されることも多く、とんでもなくひどい日はことごとくさんざんな目に遭うでしょう。プロツアー本戦でもそれは変わらず、罰せられ、与えられない、という日になることもあります。MtGを続ける情熱を持ち続けるためには、成功したいという強い願望を持ち、幾多の苦々しい瞬間や心が折れるような絶望を、必然的に経験することと捉え、耐え続け、変化に柔軟に対応していくことが必要なのです。

 それだけではありません。何より重要なのは、その過程を楽しむことなのです。

 プレミアレベルのMtGプレイヤーは、その鍛練にも多くの犠牲を要求されます。多くのプレイヤーが、高いレベルでプレイしたいという夢や希望を持ちますが、ほんの一握りのプレイヤーだけしか生き残れません。プレイヤーとしての鍛練は、心身の状態によっては、情熱、興奮、楽しさといった、本来MtGのプレイから得られるであろう大切なものを消費し、生け贄として、継続的な成功を得るのです。

 人生において必要なのはなによりもまず、どこまで突き詰めて鍛練を重ねるかのバランスです。そう、あなたが成功したい、成し遂げたい、勝ちたい、競争したい、という欲望を持つことは必要です。しかし同時に、心の平静を保ちながら、成し遂げたいという願いを持ち続けることが重要なのです。MtGを楽しくプレイすることを喜び、ゲームを愛し、健全な情熱を持ち続けることが必要です。MtGを業務的、職業的に感じたり、自由に楽しむ以上に強制的に自分を追い込んだりしてしまうと、すぐ自滅してしまい短期間で燃え尽きてしまうでしょう。

 競技レベルでMtGの鍛練を楽しみ、達成感と満足感を得ながら心の平静を保つには、次のような考え方が助けになるでしょう。

1)トーナメントを「生きるか死ぬか」と捉えない
 これはゲームにおいて心の平静は不可欠、という別の側面です。以前の記事で「勝ちたいという気持ちと、勝たなければいけないという感情は全く別のものだ」ということを言いました。「勝ちたい」という気持ちは健全な願いの表れですが、「勝たなきゃ」という気持ちは不健全な執着の表れです。勝ちたいと思うことは当然の感情で、それ自体はすばらしいことなのですが、それが執着に変わってしまうと、危うく罠に陥ってしまいます。このようなゲームに対する態度は、乱高下する暴力的な気持ちのジェットコースターのような不健全さに陥ってしまうのです。あなたがなんとか勝てば世界の頂点に立ったような気持ちになれますが、負けてしまった場合は、激しくクラッシュして立ち直れないような気持ちに、どうしてもなってしまいます。負けて気分が落ち込んでいるときには、自分自身のMtGに対する取り組み方を見つめ直し、自分がなぜMtGをプレイしているのか、その優先順位を整理し直すことが、負の感情を払拭するために必要なのです。

 もしあなたがプロプレイヤーだったり、GP参加者で、生計を立てるため文字通り「生きるか死ぬか」の戦いをしているなら、問題ではありません。実際には、MtGのトーナメントがそこまで生死に影響は与えません。心配事やストレス、プレッシャーなどを、できるだけ感じない心を持つことが必要です。客観的に見て、自分の日常生活にとって結果がどの程度重要なのかよく考え、生計を立てるための結果を得ることは難しい、ということを思い出し、自分にとって難しい余計な心配事、ストレス、プレッシャーから解放されることが大切です。

2)結果を求められない形でMtGをプレイしてみる
 Lance Austinと私は、「Mental Mana Podcast」というポッドキャストを通じて、MtGのメンタル的な側面について、プレイヤー諸兄がどのように気持ちを切り替えられるかを話しています。最近のエピソードだと、Braina Braun-Duinが我々の話に加わり、トーナメントでプレイした際、負けや過去の悪い結果をどう乗り越えているかを聞きました。Brianは、自分自身が自分の結果に過度に感情的になることをやめ、平静を保ちながらゲームをする方法について語ってくれました。時にはカジュアルなプレイの機会をつくり、純粋に楽しめるMtGを、結果が求められないような形でプレイすることに集中するそうです。

 個人的な話ですが、私が今までプレイした中で最も楽しかったことのひとつに、仲間であるAndrew Baxterが「Stack Magic」と呼んでいた遊びがあります。どんな遊びかというと、3つの巨大な束をつくり(ひとつはスペルの束、ひとつはクリーチャーの束、ひとつは土地の束)、それぞれのプレイヤーはすべての束からカードを引いて、毎ターン、どの種類のカードが欲しいかを考えながら、どの束からカードを引くかを決めます。土地や特定の色が不足している場合は土地の束を、盤面上の脅威を追加したいときにはクリーチャーの束を、除去や打ち消しが欲しい時にはスペルの束を引きます。プレイは非常に楽しく、同じゲームは二度と起こりません。ぜひお暇なときにお試しあれ!

 競技プレイヤーの多くは、賞金や結果の伴わないMtGをプレイしない、という問題があります。MtGをしっかりとプレイする必要は、そもそもどこにもないのです。MtGを純粋に楽しくプレイすることで、競争意識から解放されて、リラックスした自分自身を認めてあげましょう。「リチャード・ガーフィールドがMtGをどんなゲームにしたかったか」という原則を思い出してください、情熱、楽しさ、喜び、そしてゲームに対する愛を持ち続けることが大切なのです。もしMtGが結果がすべてのゲームで、他に何もなかったら、ゲームのように感じられず、自分を強制する仕事や職業のようになってしまいます。それは間違いで、退屈で、つらいものです。決していいことではありません。燃え尽きて、不健全で毒々しい気持ちをはぐくんでしまうでしょう。


3)なぜMtGを始めたのか、そのときのことを思い出してみる
 思い出してみてください、最初にMtGをプレイしたのはいつですか? 始めたての頃、好奇心や知略、発見に満ちていたとき、MtGをプレイしてどんな気持ちになりましたか? 最初にプレイを始めた頃にMtGから得た気持ちは、維持や再体験がとても難しいものです。最初にプレイしたゲームの際に感じるような、ほとんど子どものような好奇心や魅惑的な気持ちを持ち続けるのは難しいですが、私は常にその気持ちを忘れないことがとても大切だと思います。忘れてしまうと、どうしてプレイを始めたのかを見失ってしまい、MtGが自分の中で風化していってしまうことがあるのです。

 私が初めてプレイした時のことを、今でも覚えています。ウルザズ・レガシーのスターターデッキを購入して、その時当てたカードをまだ持っています。Foilの《骨砕き》です! また《ファイレクシアの疫病王》も当てて、本当に楽しい時間を与えてくれました。学校から家に帰って、自転車に乗って、通りを下って友達のAndrewの家に行き、彼の家で何時間も遊んでいました。私は中世の伝承やファンタジーの世界にのめり込み、プレイしている間はその世界に没頭しながら、夢中になって想像を膨らませました。

 なぜMtGを始めたのですか? あなたが思い描いたゲームはどうでしたか? 最初の頃、MtGをプレイしてどんな気持ちになりましたか? きっとワンダフルで、ポジティブだったに違いありません。競技マジックにその身を投じた後も、その時の気持ちを思い出してください。MtGがあなたにとってどんな深い意味を持っているか、思い起こすことができるでしょう。

 こういったことに興味があって、メンタル面についてもっと学びたいなら、私は「Mental Mana - Mastering the Mental Game of Magic; the Gathering」という本を書いています。有益で、学び始めに最適だと思います。ここ(原文はリンクあり)から読めます。

 読者の方には、MtGがあまりにも細かくならないよう、そして常に楽しんでゲームができるような、特定のやり方を持っていますか? もしあれば、ぜひシェアしてください。私は皆さんが何をしているのか、それを知りたいと思っています。

 読んでいただいてありがとうございます!

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