https://www.channelfireball.com/articles/pre-modern-a-constructed-format/
 プレモダン! そういうのもあるのか。
 というわけで面白そうなフォーマット「Premodern」。要するに「旧枠カードでの限定構築」です。ミラディンより前のエキスパンションなら対象になるそうです。
 記事内にもありますが、オールドスクールと違い、とにかくデッキが安いことが魅力だそうです。後半には主要なデッキの一覧も出てきますが、懐かしのあのデッキの名前も並びます。回顧厨にはたまらないフォーマットですね。

 なお書き手は若干26歳のJoel Larsson。プロツアーを2回制した男として有名ですね。若いプレイヤーが記事を書いている、というのも、このフォーマットの魅力が奥深いということを感じさせますね。

 ※別記事でスイス選手権、イタリア選手権の様子もレポートされていますので、随時翻訳を進めます!
 
 
 
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Premodern: A Constructed Format
By Joel Larsson // 28 Mar, 2018

 突然ですが、私は新しいフォーマットにチャレンジすることが大好きです! 広く知られる「オールドスクール」のように、私は新しいフォーマットに出会いました。その名も「プレモダン(Premodern)」です!
(編集注:記事内ではオールドスクールを「93/94」、プレモダンを「95/03」とリリース時期で表現する場合がありましたが、翻訳に際しリリース時期表記を廃する形で統一しています)

 プレモダンは、私の地元の友人・Martin Berlinによってつくられたフォーマットで、ここ数年地方の大会や友人同士で遊んでいます。カードプールは「第4版」「アイスエイジ」~「第7版」「スカージ」までで、要するに旧枠でつくられた95年~03年のセットです。ただし、ポータルやアンソロジー、プロモーションカードなどは除きます。

【使用可能エキスパンション】
■第4版、クロニクル、第5版、第6版、第7版
■アイスエイジブロック(アイスエイジ、ホームランド、アライアンス)
■ミラージュブロック(ミラージュ、ビジョンズ、ウェザーライト)
■テンペストブロック(テンペスト、ストロングホールド、エクソダス)
■ウルザブロック(ウルザズ・サーガ、ウルザズ・レガシー、ウルザズ・デスティニー)
■メルカディアン・マスクスブロック(メルカディアン・マスクス、ネメシス、プロフェシー)
■インベイジョンブロック(インベイジョン、プレーンシフト、アポカリプス)
■オデッセイブロック(オデッセイ、トーメント、ジャッジメント)
■オンスロートブロック(オンスロート、レギオン、スカージ)


【禁止リスト】
 フォーマットには禁止リストもあります。最も重要なのは、プレモダンを他のフォーマットとは異なるものにすることです。また、最もプレイされたカードと異なるものを使うことを推奨します。何万回も唱えた《渦巻く知識》ではなく、《蓄積した知識》や《衝動》をキャストしましょう!
(編集注:5月時点での記事ですので、変更がある可能性があります。最新の禁止リストは公式サイトhttp://www.premodernmagic.com/でご確認ください)

《土地税/Land Tax》
《天秤/Balance》

《渦まく知識/Brainstorm》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《閃光/Flash》
《実物提示教育/Show and Tell》
《意外な授かり物/Windfall》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《意志の力/Force of Will》
《精神の願望/Mind’s Desire》
《時のらせん/Time Spiral》

《納墓/Entomb》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《精神錯乱/Mind Twist》
《Demonic Consultation》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
《苦悶の触手/Tendrils of Agony》

《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》

《大地の知識/Earthcraft》
《チャネル/Channel》

《黒の万力/Black Vise》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《記憶の壺/Memory Jar》

《露天鉱床/Strip Mine》
《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》

アンティに関するカードすべて


【プレモダンの哲学】
 プレモダンのポイントはどこでしょうか? 旧枠カード、初期のカードを当時のデザインのままゲームとして再活用するには、そのカードが何をして、どう見えるかを注視します。オールドスクールと同じように、プレモダンはカードの増えないフォーマットであり、競争の激しいトーナメントよりも、カジュアル、ローカルプレイに最適です。オールドスクールに比べ、使用するカードのバージョンに関するルールはありません(編集注:再録された新枠カードを使ってもOK、ということです)。

 プレモダンの含まれるセットはレガシーやヴィンテージにとって、十分な強さのないカードの山ですが、多くの人がノスタルジーを感じるセットです。私も《嘘か真か》をキャストされたり、《繰り返す悪夢》で嫌がらせをされたりしたことは数えきれないぐらいあります(笑)。これは統率者、特にデュエルコマンダーに最初に感じたことと同じです。違いは、デュエルコマンダーのカードが少し高いと感じたことです。毎回新しいデッキをプレイするのは難しいのです。プレモダンのいいところは、キューブ、もしくは統率者戦などのカジュアルなフォーマットでしかプレイされないカードが中心の為、デッキの値段が安くすむのです! 本当に高価なカードはいくつかの土地だけです……《裏切り者の都》、《リシャーダの港》、《ガイアの揺籃の地》、そして《不毛の大地》あたりですね。とはいえ、この土地を使わないとTier1がつくれない、なんてことはありませんし、カードのローテーションがないため、デッキのコストは安くなります。もし既に高価なカードをいくつか持っているのであれば、デッキの数を増やすことができます。
 
 
 
【デッキ】
 メタゲームなんかありません、それがいいところなんですから。つまり、まぁ、私が読者の皆さんにデッキを提示できるわけではないのですが、私の友人(競技プレイヤーで、最近のトーナメントでもいい結果を残している友達です)が残してきたデッキがいくつかありますので、紹介をしてみます。あくまで一例なので、基本的には、なんだ、「未来に生きろ!」と言いたいですね(笑)。
 
 
 
☆☆☆コントロール☆☆☆
 
■5色コントロール
土地 25
2 《平地/Plains》
3 《島/Island》
4 《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
4 《沿岸の塔/Coastal Tower》
1 《地底の大河/Underground River》
1 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
1 《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
4 《反射池/Reflecting Pool》
4 《大闘技場/Grand Coliseum》
1 《真鍮の都/City of Brass》

クリーチャー 4
4 《花の壁/Wall of Blossoms》

その他 31
4 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4 《吸収/Absorb》
4 《対抗呪文/Counterspell》
1 《名誉回復/Vindicate》
1 《破滅的な行為/Pernicious Deed》
1 《正義の命令/Decree of Justice》
4 《嘘か真か/Fact or Fiction》
3 《神の怒り/Wrath of God》
2 《ガイアの祝福/Gaea’s Blessing》
3 《衝動/Impulse》
4 《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》

サイドボード 15
1 《浄化の印章/Seal of Cleansing》
1 《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
1 《解体の一撃/Dismantling Blow》
2 《めった切り/Slice and Dice》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《赤霊破/Red Elemental Blast》
1 《正義の命令/Decree of Justice》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《破滅的な行為/Pernicious Deed》
1 《神の怒り/Wrath of God》
1 《ジェラードの知恵/Gerrard’s Wisdom》
1 《赤の防御円/Circle of Protection: Red》

 5色コントロール、まんまですね。すべての色のパワーカードでゲームをコントロールします。《蓄積した知識》《嘘か真か》という優良ドローでアドバンテージを築きます。《花の壁》や《衝動》で土地枚数も低く抑えられ、クリーチャーも《剣を鋤に》《神の怒り》《破滅的な行為》《名誉回復》と対処策が多くあります。8枚の打ち消しが入っていて、《吸収》のおかげでバーン戦略で負かすこともほぼ不可能でしょう。コントロール側はどうやって勝つのか、って? 唯一のフィニッシャーは《正義の命令》ですが、本当の勝ち筋は《ガイアの祝福》を用いたライブラリーアウト戦略です。ちょうど数年前の《スフィンクスの啓示》+《不死の霊薬》デッキみたいな感じです。
 
 
 
☆☆☆アグロ☆☆☆
 
■黒単アグロ
土地 20
16 《沼/Swamp》
4 《裏切り者の都/City of Traitors》

クリーチャー 16
4 《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》
4 《ダウスィーの怪物/Dauthi Horror》
4 《カーノファージ/Carnophage》
4 《ダウスィーの殺害者/Dauthi Slayer》

その他 24
4 《肉占い/Sarcomancy》
4 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
3 《憎悪/Hatred》
1 《ケアヴェクの悪意/Kaervek’s Spite》
4 《強迫/Duress》
4 《暴露/Unmask》
3 《殺し/Snuff Out》
1 《闇の旋動/Spinning Darkness》

サイドボード 15
4 《マスティコア/Masticore》
3 《呪われた巻物/Cursed Scroll》
2 《Dystopia》
1 《非業の死/Perish》
2 《迫害/Persecute》
1 《次元の狭間/Planar Void》
2 《棺の追放/Coffin Purge》

 黒単は、ライフと手札を犠牲にテンポを獲得する、古き良きアーキタイプです。軽く攻撃的なクリーチャーで攻め立てながら、《暴露》《強迫》などの手札破壊でゲームをコントロールし、《ファイレクシアの抹殺者》や《憎悪》で速やかにゲームを終わらせます。相手の体制が整う前に勝負を決めるため、マナ加速やピッチスペルも多用します。しかし、赤単アグロを見てください。《憎悪》《殺し》をキャストした後、《抹殺者》やプレイヤーに《稲妻》が飛んでくるなんて最高じゃないですか? 信じるんだ。
 
 
 
■赤単スライ
土地 22
12 《山/Mountain》
2 《蛮族のリング/Barbarian Ring》
4 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

クリーチャー 12
4 《ジャッカルの仔/Jackal Pup》
4 《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
4 《ボール・ライトニング/Ball Lightning》

その他 26
4 《呪われた巻物/Cursed Scroll》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《火葬/Incinerate》
4 《発展の代価/Price of Progress》
4 《火炎破/Fireblast》
3 《炎の印章/Seal of Fire》
2 《炎の稲妻/Firebolt》
1 《火炎の裂け目/Flame Rift》

サイドボード 15
4 《紅蓮破/Pyroblast》
1 《沸騰/Boil》
2 《Anarchy》
2 《魔力のとげ/Manabarbs》
2 《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》
2 《破壊的脈動/Shattering Pulse》
2 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》


 古き良きマジックといったらお咎め警察・赤単でしょう! スライは屈指の火力呪文である《稲妻》《火炎破》《発展の代価》を擁する非常に強力なデッキです。しかし、生物の質は普段より悪いのがネックです。《渋面の溶岩使い》はいいとして、《ジャッカルの仔》を使わなければいけないのです。《ゴブリンの先達》も《大歓楽の幻霊》もいないので。このデッキのコツは、タイミングと、クリーチャーでなるべく多くのダメージを与えることです。それができれば、昔の火力は強力ですから、相手を倒すのはそこまで難しくありませんよ!
 
 
 
☆☆☆コンボ☆☆☆
 
■プロスブルーム
土地 23
4 《真鍮の都/City of Brass》
4 《宝石鉱山/Gemstone Mine》
5 《島/Island》
5 《沼/Swamp》
4 《森/Forest》
1 《平地/Plains》

その他 37
4 《資源の浪費/Squandered Resources》
4 《死体の花/Cadaverous Bloom》
4 《冥府の契約/Infernal Contract》
3 《強迫/Duress》
3 《手練/Sleight of Hand》
4 《自然の均衡/Natural Balance》
3 《繁栄/Prosperity》
1 《生命吸収/Drain Life》
4 《瞑想/Meditate》
3 《衝動/Impulse》
3 《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
1 《中断/Abeyance》

サイドボード 15
3 《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》
2 《帰化/Naturalize》
2 《中断/Abeyance》
3 《エレファント・グラス/Elephant Grass》
1 《暖気/Warmth》
1 《孤独の都/City of Solitude》
2 《水流破/Hydroblast》
1 《冬眠/Hibernation》


 プロスブルームは最古のコンボデッキのひとつです。最終的には致死量の《生命吸収》を相手にぶつけます。そのために、大量のマナを《資源の浪費》《死体に花》で生み出します。土地からマナをひねり出し、生け贄に捧げた後で《自然の均衡》をキャスト、5枚の基本地形を戦場に追加して、マナを出してサクってもう一回《自然の均衡》を……以下略。ほぼ儀式系スペルになります。《死体に花》は《瞑想》《冥府の契約》との相性が抜群です、同じターンの間に勝つことが目標なので、欠点がなくなります。《死体に花》《資源の浪費》で得たマナで、Xの大きい《繁栄》を打ち込み、《生命吸収》を引き、残りのカードをマナに変換して相手を倒します。

 残りのカードは、このコンボパーツを揃えたり、相手の妨害に役立ちます。ちょっとの運があれば3キルもできますよ!
 
 
 
■トリックス
土地 22
22 《島/Island》

その他 38
2 《手練/Sleight of Hand》
1 《のぞき見/Peek》
1 《祖先の記憶/Ancestral Memories》
4 《記憶の欠落/Memory Lapse》
4 《先触れ/Portent》
4 《予報/Predict》
4 《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》
3 《対抗呪文/Counterspell》
4 《予兆/Foreshadow》
4 《Illusions of Grandeur》
4 《寄付/Donate》
3 《狡猾な願い/Cunning Wish》

サイドボード 15
4 《水流破/Hydroblast》
1 《転換/Turnabout》
1 《再建/Rebuild》
1 《阻止/Interdict》
1 《対抗呪文/Counterspell》
1 《反論/Gainsay》
1 《水没/Submerge》
1 《天才のひらめき/Stroke of Genius》
1 《紛糾/Complicate》
1 《誤った指図/Misdirection》
1 《高波/Tidal Wave》
1 《転覆/Capsize》


 トリックスは私の大好きなデッキのひとつです。とにかくたくさんのカードを引いて、相手の脅威を打ち消し、不合理な方法で勝ちます。それを手助けしてくれるのは《サファイアの大メダル》によるコスト軽減です。

 ゲームプランとしては《Illusions of Grandeur》を《寄付》で相手に押しつけます。《Illusions of Grandeur》が出れば20点のライフが得られます。累加アップキープが重いですが、それを《寄付》してしまえば、20点のライフを得たまま、相手は累加アップキープを払わなければなりません。それができなくなったら、相手は20点のライフを失い、(ほとんどの場合)ゲームに負けるでしょう。

 トリックスのすごいところは、レガシーのハイタイドのように、カードを引いて必要なカードを見つけに行ったり、手札を整えている間に妨害をする、ということがほぼほぼ不可能な点です。《狡猾な願い》のシルバーバレットによりコンボパーツを速やかに揃えることができ、また様々な状況に対応することができます。打ち消し呪文のバックアップもあり、トリックスのコンボが《大メダル》でコスト軽減されていると、止めることは難しいでしょう。
 
 
 
☆☆☆部族☆☆☆
 たくさんの友達が(私もそうですが)、プレモダンを始めるにあたり、
(1)カードを引きたがる。
(2)《嘘か真か》を打ちたがる。
(3)《嘘か真か》を入れたデッキをつくる。
 こんな感じなのです。世代的にしょうがないのですが。フォーマットを始める前の段階では、メタゲームは青いコントロールデッキが占めていました。トリックスとかオースあたりですね。反面、クリーチャー主軸のデッキは少なかったのです。《行き詰まり》はクリーチャーデッキの中でも優れたデッキのひとつになりました。私のスパイクとしての本能が、良いクリーチャーデッキを作り上げ、直近のトーナメントで優勝しました。この美しいデッキリストをご覧あれ!


■ゴブリン召集
土地 24
2 《沼/Swamp》
8 《山/Mountain》
4 《硫黄泉/Sulfurous Springs》
4 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 《真鍮の都/City of Brass》
4 《不毛の大地/Wasteland》

クリーチャー 33
4 《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4 《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
1 《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
4 《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
2 《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
4 《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
2 《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
2 《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
4 《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
2 《つつき這い虫/Clickslither》
4 《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

その他 3
3 《総帥の召集/Patriarch’s Bidding》

サイドボード 15
3 《強迫/Duress》
2 《終止/Terminate》
1 《紅蓮操作/Pyrokinesis》
1 《火花鍛冶/Sparksmith》
2 《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
3 《赤霊破/Red Elemental Blast》
3 《ドワーフの爆風掘り/Dwarven Blastminer》


 このデッキは昔のエクステンデッドの「ゴブリン召集」にインスパイアされたものです。ゲームプランとしては、ゴブリンシナジーで相手にプレッシャーを与え、相手のタップアウトの隙に《総帥の召集》を打ちます。自軍のクリーチャーは《つつき這い虫》《スカークの探鉱者》《ゴブリンのそり乗り》あたりで全部墓地に落としておきます。この過程で《ゴブリンの名手》が何度もアンタップし、相手に大量のダメージを与えることができます。一度《総帥の召集》が解決されれば、《ゴブリンの戦長》で速攻を得たゴブリン、特に《包囲攻撃の司令官》がゲームを決めてくれます。時には《ゴブリンの名手》だけでゲームに勝つこともあります。

 プレモダンでは《ゴブリンの従僕》がプレイできるのです。《従僕》の展開力はこのフォーマットでも群を抜きます。もし最初の誘発で《包囲攻撃の司令官》など出ようものなら、2ターン目に《群衆追い》、3ターン目に《ゴブリンの戦長》で22点、3キルが決まります。もうひとつの3キルルートは、《従僕》から2ターン目に《戦長》、手札から《群衆追い》2体、3ターン目に追加のゴブリン1体がいれば20点以上が叩き出せます。爆発的なスタートと、極上のシナジーがゴブリンにはあります。たとえ《ゴブリンの首謀者》がいなくても、《総帥の召集》はパワフルです。回すのも楽しいデッキですよ!

■エルフ
土地 20
4 《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
16 《森/Forest》

クリーチャー 34
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4 《Fyndhorn Elves》
4 《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
2 《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》
4 《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
3 《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》
4 《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》
4 《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》
2 《マスティコア/Masticore》
3 《錯乱した隠遁者/Deranged Hermit》

その他 6
4 《からみつく鉄線/Tangle Wire》
2 《ミシュラのらせん/Mishra’s Helix》

サイドボード 15
2 《窒息/Choke》
1 《冬の宝珠/Winter Orb》
3 《帰化/Naturalize》
1 《マスティコア/Masticore》
1 《幸運を祈る者/Wellwisher》
3 《頑強な決意/Steely Resolve》
4 《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》


 エルフデッキはこの環境のニューカマーです。直近のトーナメントでもTOP4に入りました。《ティタニアの僧侶》《ラノワールの使者、ろふぇロス》はぶっ壊れカードで、《クウィリーオン・レインジャー》でアンタップしてもう一回、なんてことをするとエルフを大量に戦場に送り込めて、大量のマナが得られます。このマナの優位を《絡みつく鉄線》《ミシュラのらせん》で相手の土地を倒す方向に変換します。一度決まってしまうとなかなか抜け出せません。

 もう一つの方向性として、おそらく、《ワイアウッドの共生虫》と《リサイクル》のコンボから《クローサの拳、カマール》でフィニッシュする、という重めのコンボも考えられます。もしくは《自然の秩序》で《新緑の魔力》をドーン!みたいな戦法もとれそうです。エルフは軸がしっかりしているので、様々なゲームプランが考えられるという強みがありますね。

【将来に向けて】
 話してたら興奮してしまって、もっともっともっと説明したいことが山ほどあるんです!《繰り返す悪夢》は?《ドリーム・ホール》は?《陰謀団式療法》?《サイカトグ》?《果敢な勇士、リン・シヴィー》?《野生の雑種犬》? リアニメイトはどうだろう? 可能性は無限大なのです!
 付け加えておくと、ほとんどのデッキは競技レベルに達していて、数多の異なるデッキやアーキタイプが使用可能なところは、モダンに近いかもしれません。ゲームをするたびに全く違うカードがプレイされる様は統率者戦のようです。主流なデッキはあっても、《渦巻く知識》や《スカラベの神》のように、必ず見る、というカードはありません。古いカードに郷愁や愛着を感じるのであれば、安い出費でデッキをたくさん作れるこのフォーマット、プレモダンには明るい未来が待っていると信じています。もしこのフォーマットに手を出したいなら、ルールや禁止リストに変更が出たら、公式サイト(http://www.premodernmagic.com/)で逐次報告するので、チェックしてください!

 さあ、デッキを組んでみよう。

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