https://www.channelfireball.com/articles/the-best-premodern-decks-from-the-italian-national-championship/
 というわけでプレモダンシリーズ第3段。Joel Larssonがイタリア選手権の様子をレポートしています。スイス、イタリアときて、他のヨーロッパ諸国でも開催されているかどうかは調べていないので謎。

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The Best Premodern Decks from the Italian National Championship
By Joel Larsson // 12 Sep, 2018

 この間の記事(拙訳でいうとこれ→http://cheapwest.diarynote.jp/201809181752186997/)では、スイス選手権でのプレモダンの入賞リストに触れました。今回はイタリア選手権のTOP8のリストを見て、将来のイベント、メタゲーム、そして私の見解を書いてみようと思います。それでは行ってみましょう!
U/W Standstill
Stefano Mannella, 1st place

土地 26
5《島/Island》
4《平地/Plains》
4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
2《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2《不毛の大地/Wasteland》
4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
1《沿岸の塔/Coastal Tower》

その他 34
1《解呪/Disenchant》
1《解体の一撃/Dismantling Blow》
1《新たな信仰/Renewed Faith》
2《吸収/Absorb》
3《嘘か真か/Fact or Fiction》
3《正義の命令/Decree of Justice》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
4《衝動/Impulse》
4《マナ漏出/Mana Leak》
3《対抗呪文/Counterspell》
3《神の怒り/Wrath of God》
1《火薬樽/Powder Keg》
4《行き詰まり/Standstill》

サイドボード 15
4《水流破/Hydroblast》
2《解呪/Disenchant》
2《反論/Gainsay》
1《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
1《謙虚/Humility》
1《日中の光/Light of Day》
1《賛美されし天使/Exalted Angel》
1《青霊破/Blue Elemental Blast》
2《赤の防御円/Circle of Protection: Red》


U/W Standstill
Antonio Ricci, 5th–8th

土地 26
6《島/Island》
4《平地/Plains》
3《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
1《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
3《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
2《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》
4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
3《不毛の大地/Wasteland》

その他 34
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
2《もみ消し/Stifle》
1《解呪/Disenchant》
3《吸収/Absorb》
3《嘘か真か/Fact or Fiction》
3《正義の命令/Decree of Justice》
3《衝動/Impulse》
3《マナ漏出/Mana Leak》
4《対抗呪文/Counterspell》
3《神の怒り/Wrath of God》
4《行き詰まり/Standstill》
1《火薬樽/Powder Keg》

サイドボード 15
1《もみ消し/Stifle》
1《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
3《水流破/Hydroblast》
3《反論/Gainsay》
2《浄化の印章/Seal of Cleansing》
1《火薬樽/Powder Keg》
1《アクローマの復讐/Akroma’s Vengeance》
2《赤の防御円/Circle of Protection: Red》
1《冬眠/Hibernation》

 またもや、TOP8に青白ランドスティルが姿を現しました。今回は2つのデッキが勝ち残り、そのうち1つは優勝を飾りました!! Tier1というには数も少なく、2つのコントロールデッキ(4色コントロール)を打ち負かしたのは不思議に思えます。ランドスティルがどういう戦略でゲームを進めるのかは今更語りませんが、さて、このデッキに勝つ最良の手段はなんでしょう? 言わずもがな、《行き詰まり》を機能させないことです。アプローチのひとつは、《行き詰まり》をプレイされる前にボードを空にせず、常にプレッシャー(クロック)を維持し、相手に《行き詰まり》をプレイさせないことです。別の手段としては土地単に採用されるような強力な土地を使うことですが、そういった構築をするには特殊な作業が必要になるでしょう。



Mono-Blue Stasis
Lorenzo Novaro, 2nd place

土地 23
19《島/Island》
4《見捨てられた都市/Forsaken City》

クリーチャー 1
1《変異種/Morphling》

その他 36
2《撃退/Foil》
2《ギックスのかぎ爪/Claws of Gix》
1《フェルドンの杖/Feldon’s Cane》
2《火薬樽/Powder Keg》
4《停滞/Stasis》
1《黒の万力/Black Vise》
1《レンの書庫/Library of Leng》
2《手練/Sleight of Hand》
1《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
2《目くらまし/Daze》
1《狡猾な願い/Cunning Wish》
1《転覆/Capsize》
4《妨害/Thwart》
4《噴出/Gush》
2《誤った指図/Misdirection》
4《衝動/Impulse》
2《対抗呪文/Counterspell》

サイドボード 15
1《水流破/Hydroblast》
1《もみ消し/Stifle》
1《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
1《断絶/Snap》
3《寒け/Chill》
1《秘儀の否定/Arcane Denial》
1《陥穽/Ensnare》
2《道化の帽子/Jester’s Cap》
2《水没/Submerge》
1《青霊破/Blue Elemental Blast》
1《枯渇/Mana Short》

 MtGで最も強力な戦略のひとつに、互いの行動を制限するデッキをつくり、またそれによるディスアドバンテージをできるだけ小さく抑える(もしくはそれを強みに変える)構築があります。核となるカードとしては《からみつく鉄線》《冬の宝珠》《虚空の杯》《血染めの月》《煙突》《ズアーの運命支配》など、他にもたくさんのカードがあります。《停滞》は《忘れられた都市》と強くシナジーして、とてつもなく長いゲームでアップキープコストを支払うのに役立ちます。《忘れられた都市》なしでは、すべてのターンに土地をプレイして、その土地をタップして、維持し続けなければなりません。一般的なコンボとしては《宿命》とのコンボが知られています。相手のカードはタップインして、二度とアンタップすることはありません。何をすることも……スペルを唱えることもできないのです。

 しかし青単バージョンでは《宿命》を使いません。その代わりに、いくつかのフリースペルと、通常の打ち消し呪文を使用し、相手の行動を阻害します。あなたの対戦相手は十分な行動機会が得られません。仕掛けることはできますが、一度土地を寝かせてしまうと、アンタップすることはありません。クリーチャーについても《停滞》は使いきりに変えてしまいますので、すべてを妨害する必要はなく、ロックに対抗する部分を打ち消してしまえば、ロック状態に持ち込むことができるのです。

 最終的には、代替コストを持つスペルで土地を手札に戻すことは、呪文を唱えること自体よりも優れているのです。土地からマナを出せば2回目の使用はできませんが、タップ状態の土地を手札に戻すことで再び使用することができるようになります。打ち消しのバックアップが得られれば、ロックがかかりますが、ゲームに勝つ方法が必要になります。基本的には《フェルドンの杖》によるライブラリーアウトで勝ちますが、それに対応されるようなことがあれば、《変異種》(なんと自身をアンタップする能力を持っています!)で殴り勝つこともできます。


R/G Goblins
Andrea Righetti, 3rd place

土地 23
11《山/Mountain》
1《森/Forest》
4《カープルーザンの森/Karplusan Forest》
4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
3《不毛の大地/Wasteland》

クリーチャー 37
4《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
3《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
4《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
4《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
3《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
4《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
1《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
1《ゴブリンの紅蓮術士/Goblin Pyromancer》
4《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
2《つつき這い虫/Clickslither》
3《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》

サイドボード 15
2《紅蓮破/Pyroblast》
1《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》
1《外殻貫通/Hull Breach》
1《Anarchy》
1《伏魔殿/Pandemonium》
3《紅蓮操作/Pyrokinesis》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
2《帰化/Naturalize》
2《ゴブリンの王/Goblin King》
1《ゴブリン修繕屋/Goblin Tinkerer》

 赤緑ゴブリンは、赤黒ゴブリンのもう一つの選択肢です。私は赤黒バージョンの方が好みですが、メタゲーム上にエンチャント・デッキが多い場合は、こちらの方が優れているでしょう。《ドラルヌの十字軍》は《赤の防御円》や《仕組まれた疫病》には効果を発揮しますが、《独房監禁》などへの対処を考えると、《Anarchy》よりも緑のカードがはるかに効率的です。緑はサイドボードに《帰化》や《外殻貫通》を採用することができ、《金属細工師》デッキのような厄介なアーティファクト、もしくはエンチャントを多用するデッキのどちらにも対抗できます。赤黒においても《破壊的脈動》は必要なく、《Anarchy》や《ドラルヌの十字軍》のほうが優れているでしょう。



Sligh
Enrico Michelucci, 4th place

土地 20
16《山/Mountain》
2《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
2《蛮族のリング/Barbarian Ring》

クリーチャー 19
4《ジャッカルの仔/Jackal Pup》
4《ゴブリン巡視部隊/Goblin Patrol》
4《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
3《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
4《ボール・ライトニング/Ball Lightning》

その他 21
4《火葬/Incinerate》
1《最後の賭け/Final Fortune》
4《火炎破/Fireblast》
1《地震/Earthquake》
4《稲妻/Lightning Bolt》
2《炎の印章/Seal of Fire》
4《呪われた巻物/Cursed Scroll》
1《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》

サイドボード 15
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
3《紅蓮破/Pyroblast》
2《破壊的脈動/Shattering Pulse》
1《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
1《伏魔殿/Pandemonium》
2《紅蓮操作/Pyrokinesis》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《血染めの月/Blood Moon》
1《沸騰/Boil》
2《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》


Sligh
Marco Isidori, 5th–8th place

土地 22
10《山/Mountain》
2《忘れられた洞窟/Forgotten Cave》
2《蛮族のリング/Barbarian Ring》
4《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
4《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

クリーチャー 12
4《ジャッカルの仔/Jackal Pup》
4《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
4《ボール・ライトニング/Ball Lightning》

その他 26
4《呪われた巻物/Cursed Scroll》
4《黒の万力/Black Vise》
4《火葬/Incinerate》
2《火炎噴流/Flame Jet》
4《発展の代価/Price of Progress》
4《火炎破/Fireblast》
4《稲妻/Lightning Bolt》

サイドボード 15
3《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
2《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》
1《めった切り/Slice and Dice》
4《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《紅蓮地獄/Pyroclasm》
2《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》
2《沸騰/Boil》

 スライはこのデッキのTier1に間違いは有りませんが、2人をTOP8に送り込みました。スライはメタゲームの17%を占めていますが、青白ランドスティルも12.5%を記録しています。印象的なのは、TOP8のデッキすべてのサイドボードに、対スライ用のカードが置かれていることですが、それでもスライはTOP8に2人を送り込んだ、という事実です。《寒気》《暖気》《ボトルのノーム》など、スライに対して特に優れているカードはたくさんありますが、最適な対策として《赤の防御円》と《水流破》が勝者のサイドボードに多数採用されているのは自明の理です。たくさんのサイドボードを見てきましたが、今回のStefanoの成功を支えているのはこの点に他なりません。

 Marcoのデッキリストで特筆すべきは、メインに4枚採用された《黒の万力》です。最近まで禁止されていたカードですが、この度禁止解除になりました。《黒の万力》は青系コントロールに対しては特に優れていて、対処手段がないデッキもあります。Marcoはメタゲーム上で重いデッキが主流になると読んでいたのだと思います。それ以外のデッキに対しては弱くなり、デッキのばらつきも大きくなります。先手時には、1マナのカードでも屈指のダメージを叩き出しますが、後手の際や、後半トップ勝負になったときには目も当てられません。面白い選択ではありますが、個人的には選択するのが怖いかな、と思います。スライの一番の魅力は、その「一貫性」ですので。



B/G Rock
Marco Mazzei, 5th–8th place

土地 28
3《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
4《やせた原野/Barren Moor》
2《樹上の村/Treetop Village》
2《不毛の大地/Wasteland》
5《森/Forest》
4《沼/Swamp》

クリーチャー 13
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
3《土を食うもの/Terravore》
3《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
1《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》
1《魂売り/Spiritmonger》

その他 19
4《強迫/Duress》
2《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
2《燻し/Smother》
2《悪魔の布告/Diabolic Edict》
3《生ける願い/Living Wish》
1《郷愁的な夢/Nostalgic Dreams》
1《消えないこだま/Haunting Echoes》
4《破滅的な行為/Pernicious Deed》

サイドボード 15
2《無垢の血/Innocent Blood》
1《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
1《燻し/Smother》
2《帰化/Naturalize》
1《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》
3《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
1《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》
2《スパイクの飼育係/Spike Feeder》
1《胞子形成/Sporogenesis》
1《消えないこだま/Haunting Echoes》




B/G Rock
Simone Lazzini, 5th8th place

土地 23
4《樹上の村/Treetop Village》
4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
8《森/Forest》
7《沼/Swamp》

クリーチャー 17
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
2《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2《花の壁/Wall of Blossoms》
3《スパイクの飼育係/Spike Feeder》
3《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》
3《魂売り/Spiritmonger》

その他 20
4《強迫/Duress》
4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
2《生ける願い/Living Wish》
2《燻し/Smother》
2《悪魔の布告/Diabolic Edict》
1《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》
1《郷愁的な夢/Nostalgic Dreams》
4《破滅的な行為/Pernicious Deed》

サイドボード 15
2《帰化/Naturalize》
2《仕組まれた疫病/Engineered Plague》
1《マスティコア/Masticore》
2《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
1《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur》
1《顔なしの解体者/Faceless Butcher》
1《胞子形成/Sporogenesis》
1《魂売り/Spiritmonger》
1《生ける屍/Living Death》
2《消えないこだま/Haunting Echoes》
1《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》

 最後に紹介するのは緑黒グッドスタッフです。いわゆるThe Rockは、おそらく最初に有名になったミッドレンジで、クリーチャーを除去し、緑の大型クリーチャーでフィニッシュします。重めのクリーチャーを安全に展開するために、《破滅的な行為》で露払いをします。対クリーチャーデッキでは、コストの安い《疫病風》のように機能しますし、他のパーマネントに頼ったデッキにも非常に効果的です。大型クリーチャーとハンデス呪文の相性もよく、6~8枚のハンデスが採用されていて、相手の対処手段を取り除くのはそれほど難しくありません。クリーチャーが除去から生き残るのが重要ですが、相手がクリーチャーや除去をトップデッキすることもあるので、速やかにゲームに勝てる、サイズの大きいクリーチャーが重要です。

 《生ける願い》はグッドスタッフ戦略の要です。目の前のデッキに対して何が必要かを探す助けとなります。相手がゴブリン? 《マスティコア》を手に入れましょう。ライフが足りない? 《貪欲なベイロス》はどうでしょう。対戦相手を投了に追い込みたい? 《起源》をサーチします。忘れがちですが《生ける願い》はサイドボードから土地を探すこともできますので、両プレイヤーは採用していませんが、サイドボードのスロットを調整して《不毛の大地》を採用することで、メインの土地採用枚数を押さえ、マナカーブを整えることができるのです。
 
 
 
 
 
【メタゲーム】
 さて、これまで紹介してきた中でのメタゲームはどうなっているでしょう? 二つのトーナメントの結果を見てみると、下記に挙げたようなデッキがプレイされています。

・4色コントロール(4-Color Control)
・エンチャントレス(Enchantress)
・赤黒ゴブリン(R/B Goblins)
・赤単スライ(Mono-Red/Sligh)
・バーゲンストーム(Bargain Storm)
・ウィッシュバーゲン(Burning Bargain)
・カウンター・リベリオン(Counter Rebels)
・黒緑シークレット・フォース(G/B Secret Force/The Rock)
・ランドスティル(Lands)
・青赤トリックス(U/R Trix)
・茶単(Mono-Brown)
・パンデバースト(Pande-Burst)
・ウェルダー・スタックス(Welder Stax)
・The Rock
・青緑マッドネス(U/G Madness)
・アストログライド(Astral Slide)
・ナイトメア・サバイバル(Recurring Survival)
・リアニメイト(Reanimator)
・アルーレン(Aluren)
・ステイシス(Stasis)
・青黒ゾンビ(?)(U/B Zombie (?))
・青黒緑コントロール(B/U/G Control)
・白単《土地税》(W/W Land Tax)
・緑単ストンピィ(Mono-Green Stompy)

 青系コントロール(青白ランドスティル、4色コントロール)と赤系アグロ(ゴブリン、スライ)はどちらのトーナメントでも使用率が最も高かったデッキですが、その他においてはメタゲームは極めて異なります。他の地方のトーナメントでは、サイカトグ、青黒ドレッドノート、《惑乱の死霊》が好成績を収めていました。我々もあくまで結果だけをなぞったものであり、広くメタゲーム情報を収集するその過程でしかありません。付け加えるなら、《土地税》は今回とりあげたトーナメントでは禁止されていましたが、フォーマットにおいてそこまでの壊れ要素は見られず、環境の持続性は保たれるように思えるため、禁止解除されています。現在の禁止リストは、http://www.premodernmagic.com/で確認してください。


 私の中でのTier1は下記のデッキです。

・青白ランドスティル(U/W Standstill)
・4色コントロール(4C Control)
・ゴブリン(Goblins)
・スライ(Sligh)
・エンチャントレス(Enchantress)
・バーゲンストーム(Bargain Storm)
 とはいえ、まだまだ断言するには早く、メタゲームは大きく変わる可能性があります。非常にたくさんの戦略を発見する余地が残されていますし、対策されるカードもあり、既に知られている戦略もチューニングが容易ですので、すべてのデッキがTier1になる可能性が残されています。まだ開拓されていないカードといえば……?

U/W Squee

土地 25
6《島/Island》
6《平地/Plains》
2《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
3《沿岸の塔/Coastal Tower》

クリーチャー 4
4《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》

その他 31
3《直観/Intuition》
2《正義の命令/Decree of Justice》
2《強制/Compulsion》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《マナ漏出/Mana Leak》
3《対抗呪文/Counterspell》
4《入念な研究/Careful Study》
3《衝動/Impulse》
3《独房監禁/Solitary Confinement》
1《復讐に燃えた夢/Vengeful Dreams》
3《禁止/Forbid》

サイドボード 15
3《水流破/Hydroblast》
2《無効/Annul》
1《神の怒り/Wrath of God》
1《正義の命令/Decree of Justice》
1《沈黙のオーラ/Aura of Silence》
1《浄化の印章/Seal of Cleansing》
2《反論/Gainsay》
1《マスティコア/Masticore》
2《秘儀の研究室/Arcane Laboratory》
1《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》

 私は最近、《ゴブリンの太守スクイー》を最大限に活用しようとしています。当然《適者生存》との相性は抜群ですので、このアプローチは多く見られますが、いかんせん悠長すぎるのです。しかし、《強制》を軸にしたデッキで使ってみると、コントロールデッキのエンジンとして使用できるのです!

 《強制》とのコンボはとても素晴らしく、たとえ相手が《嘘か真か》デッキであっても、アドバンテージで相手に大差を付けられるのです。初期のデッキテストでは、《蓄積した知識》を入れていましたが、《入念な研究》《直感》《禁止》との組み合わせはすばらしいものの、これは必須ではありませんでした。既に多くのカードを引いているからです。《強制》をデッキに入れることによって、リアクティブなカードをデッキにたくさん入れることができ、対戦相手によっては死に札になるカードをサイクリングすることができます。

 《強制》の他にも、《スクイー》は《入念な研究》《セファリッドの闘技場》との相性が非常によく、《禁止》や《独房監禁》でロックをかけることもできます。《スクイー》さえあれば、基本的には《独房監禁》はずっと維持でき、《強制》を加えることで、ゲームをロックしながら2枚目以降の《スクイー》を探すことができ、勝ち手段を得ることができます。《独房監禁》は赤系デッキすべてに有効であることを思い出してください。

 また、間違いなく《直感》がこのデッキのキーカードで、必要なカードを状況に応じてサーチしてくれます。《スクイー》が手に入っていなければ3枚探しましょう。ある程度《スクイー》が確保できたら、相手への対処手段のサーチに切り替えましょう。コントロールデッキで重要なのは、シナジーはもちろんですが、相手よりも多くカードを手に入れることで、相手のすることに対応できる体制を整えることです。《直感》も《スクイー》も、それ単体では何もしてくれません。コンボパーツが見つかればフェアなゲームを進めることは容易ですし、アンフェアなデッキに対抗することもできます。《直感》の採用により、少し歪な数のカードを採用することも肯定してくれます。デッキに3枚の《独房監禁》《禁止》《水流破》の採用をしてみる、などなどです。
 
 
 
 
 
【プレモダンの未来】
 どんな未来を待っていますか? このフォーマットはデッキが安く、参入しやすく、懐かしく、美しく、楽しく、まだまだプレイする余地が残されています!

 もしプレモダンに興味があって、大きな大会に出たいのであれば、過去最大のプレモダントーナメントである、ヨーロッパ選手権がもうすぐ開催されます!

 アメリカでの機会が増えてくれば、北アメリカでも同様に大きな大会が開催されることは間違いないでしょう。当面は、読者の皆さんがコミュニティ内でプレモダンをプレイし、その輪を広げたいなら、まずはPremodernmagic.comへ連絡して、あなたのFacebookグループを登録してくださいね。そこではトーナメントを整理して、デッキ、フォーマット全体、または他のことでも、あなたのアイデアを待っていますよ!


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